化学って超カッコいいかも! 高校の化学教師が麻薬王に変貌する海外ドラマ『ブレイキング・バッド』が最高です
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肺がんで余命宣告を受けた高校の化学教師が、家族のために麻薬王になっていく! その過程を描いたドラマ『ブレイキング・バッド』が超絶面白い。本国アメリカでは2008年に放送開始し、2013年にシリーズ最終回を迎えた超人気ドラマだそうです。
このドラマ、設定がとにかくギャップ尽くしなのが面白いところ。年収400〜500万ぐらいの超真面目な化学の先生が、麻薬製造に手を染めるというギャップ。しかも彼が生み出すメス(メタンフェミン/日本ではシャブやスピードと呼ばれる)は、純度99%のレジェンド級。実は彼、単なる化学の先生ではなく、かつては天才化学者と呼ばれるほどの才能溢れる人物だったのです。
ともあれ、最初はしがない普通のおっさんだった主人公ウォルターが、スキンヘッドになり、黒いハットをかぶり、ついには「俺のシマから出て行け」とか言い出したり。どんどん麻薬王的なルックスへと変貌していくわかりやすいビジュアル進化も、ちょっとRPGゲームみたいで面白い。
そしてこのドラマがすごいのは、特に文系にとっては苦手意識しかない「化学」という学問が、非常に魅力的に、クールに見えてくることです。麻薬の精製はもちろん、爆弾を作ったり、証拠の残らない毒物を抽出したり、人間を薬剤で消したり、膨大な化学知識を非道なことに使いまくります。でもそれだけでなく、砂漠の真ん中で車のバッテリーが上がってしまった時には、死にそうになりながらもバッテリーを自作し切り抜けるなど、化学は単なる学問ではなく、現代のサバイバル技術なのだなと思わされるシーンも。
もし学生時代に『ブレイキング・バッド』に出会っていたら、化学への心の持ちようが確実に違っていたはず。世界一危険な化学教師に学ぶ、化学の授業。ぜひ体験してみてください!
(文/根本美保子)