もやもやレビュー

『ゴーストワールド』を観て、辛い記憶が蘇ってきて、泣きそうになった。

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 女心と秋の空はきまぐれで移ろいやすいと申しますが、(落語のまくら的な始まり方してみました&うろ覚え)そんな、思春期女子の危うい感情を描いたのがこの映画『ゴーストワールド』です。

 個性派女優として活躍するソーラ・バーチ演じる主人公のイーニドとスカーレット・ヨハンソン演じるレベッカは幼なじみ。どことなくセンスも似てて、高校を卒業したら一緒に住む約束をしているほどの仲良しです。でも、こじらせ度はイーニドが上だったようで、卒業後、徐々に社会に馴染んでいくレベッカに対し、イーニドは馴染めないまま。バイトも一日でクビになり、徐々にふたりの間には距離ができてしまいます。

 そして、このイーニド、ちょっとしたいたずらをキッカケにして知り合った中年音楽ナードのシーモアに秋の空を炸裂させます。散々気のあるフリをしておいて、いざ男のほうが本気になると、そっぽを向いてしまう。

 大人になってだいぶ経つ僕が観ると、結局何がしたいんだ!とイラッとしそうになるところなのですが、このイーニドの、自分は特別な存在だと思ってる感、社会を呪ってる感、すごく懐かしいです。ああ、自分もそういうときがあったなあと誰しもが思うことでしょう。

 だから、女の子向けの映画なんですけど、男が観ても懐かしく、楽しめると思います。でも間違ってもシーモアに感情移入しないでね。僕は辛い記憶が蘇ってきて3日くらい凹みました。

(文/神田桂一)

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