『ナポレオン・ダイナマイト』を観て、『桐島、部活やめるってよ』との関連性を探る
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本日紹介するのは2004年にアメリカで公開された『ナポレオン・ダイナマイト』。以前の邦題は『バス男』という、当時流行っていた『電車男』にあやかってつけられたひどいものでした。インディーズながらアメリカではヒット、日本でも話題になりましたが、邦題のひどさでなかなか正当に評価されなかった映画でもあります。(ちなみに邦題、今は映画配給会社が謝罪して『ナポレオン・ダイナマイト』に戻っています)
この映画、アイダホ州の田舎街のダサダサ高校生・ナポレオンの日常を、冴えない男を撮らせたら日本一と言われる山下敦弘監督のようなオフビートな映像で淡々と描くというものです。
で、見ていて思ったんですが、この映画、アメリカ版『桐島部活やめるってよ』みたいだなあということ。どれだけスクールカーストの下層にいる高校生でも、主人公になりうる物語を持っているということをこの映画は教えてくれるのですが、よくよく考えてみれば、スクールカーストモノってアメリカのほうが本場だったなと。
昨今スクールカーストという言葉が流行し、それ系の小説や映画が量産される日本ですが、もともとイケてるアメフト部員とチアリーダーのカップルが、オタクをバカにするという構図は、アメリカの専売特許だったわけで。
日本では虐げられるサブカルというフィルターが前面に出過ぎて、うまくアメリカのスクールカーストものとリンクしなかっただけで、本来はアメリカが本場なんですよ。やはり日本の流行りは、アメリカに半歩遅れてやってくるのか、そんなことを思った映画でもありました。
(文/神田桂一)