もやもやレビュー

『青い春』を観て、不良の世界にもいろいろあるなと思った。

青い春 [DVD]
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松田龍平,新井浩文,豊田利晃
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 近所の不良の先輩のおさがりのバイクに乗ってる高校生に憧れます。母親のおさがりのママチャリで学校に行ってましたが! 『青い春』は男子校の不良グループの青春を描いた2002年公開の作品。原作は『ピンポン』『鉄コン筋クリート』の奇才松本大洋です。不良グループの番長を決めるための根性試しゲーム、学校の屋上で柵の外に立ち何回手を叩けるかを競う「ベランダ・ゲーム」で(屋上の棒から手を離して手を叩き、叩いたらまた棒を掴みます)8回という学校新記録を出して番長になったのは松田龍平の演じる物静かな男、九條でした。空回りしがちな幼馴染の不良青木をはじめ周囲の不良は九條のことを番長として一目置きますが、当の九條はそんなことはくだらないというように無関心。

 そんな九條の番長としての態度に納得できない青木は、自分が番長を名乗り学校を支配しようとします。しかし九條はそんな青木の空回りぶりに呆れます。そして青木に空回りを伝えます。自分でも気づいていることを指摘され、九條との役者の違いを見せつけられた青木は、「ベランダ・ゲーム」で13回という命知らずな記録を達成してそのまま屋上から落ちて死んでしまいます。なんてこった!! この映画は不良の意外な一面を観れます。

 今まで僕みたいな友達のいない男からすれば不良っていうのはいつだってダチとつるんで、ダチを一番に考えてて、ダチと一緒にキラキラした青春を謳歌してるイケイケな人達だと思っていたんですが、九條とのカリスマ性の違いに耐えきれなかった青木のように不良の中にもイケてる、イケてないの線引きは明確にあるんだなと思いました。ということは不良の中にも彼女いないどころか女の子と全く話すこともできないイモ臭い童貞みたいなやつもいるってことですね!! そんな人なら友達になれる! いやせめてそんな人のパシりにならなれる! 不良は全てイケイケのノリノリのダチダチの人だっていう勘違いは良くないなと思いました。全然イケてない人にパシられたりしている人にはおススメの映画です。

(文/前髪ナガレ)

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