もやもやレビュー

『イップ・マン』で、70〜80年代の子どもの気持ちを追体験

イップ・マン 序章&葉問 Blu-rayツインパック
『イップ・マン 序章&葉問 Blu-rayツインパック』
ドニー・イェン,サモ・ハン・キンポー,ホァン・シャオミン,サイモン・ヤム,池内博之,ウィルソン・イップ
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 ブルース・リーも、ジャッキー・チェンも、リアルタイムじゃなかった人に捧ぐ。『イップ・マン』は、かつてリーやジャッキーに死ぬほど夢中になった子ども達の気持ちを追体験できる、本気でアガる2010年代のカンフー映画です。

 ブルース・リー唯一の師匠といわれる、詠春拳という拳法の達人イップ・マン(実在)の生涯を描いた『イップ・マン』シリーズ(全4作)。共に2011年に日本で劇場公開された『イップ・マン 序章』と『イップ・マン 葉問』は、アクション監督をジャッキー・チェンの盟友といわれるサモ・ハン・キンポーが務めている(「葉問」では出演も)んですが、アクションがとにかくスゴイ!

 恐らくまだ30代くらいだと思われるのに、完全に悟りきった顔をして、無双級の強さを見せつけてくれるイップ・マン。強そうな道場破りをひとひねり、十数人もの相手をボコボコにぶちのめします。しかも、「序章」はカンフーVS空手、「葉問」はカンフーVSボクシングといった異種格闘戦が見せ場になっており、サービス精神も超旺盛!(ただし「序章」は反日表現もハンパないので、真に受けないで観てください)

 流れるようなアクションは、この上なく小気味良く、最高にキレがいい。この説明の付かない気持ちよさに、カンフーって面白い! カンフーってカッコいい! 素直に、純粋に、心がときめくのを感じるはずです。タッチ・ザ・ワールド。かつてブルース・リーに、ジャッキーに酔いしれた子ども達の心に、触れることができるはずです。だからどうってわけでもないですが。

(文/鬱川クリスティーン)

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