もやもやレビュー

『魔法にかけられて』で、ディズニーマジックという病が再発した

魔法にかけられて [DVD]
『魔法にかけられて [DVD]』
エイミー・アダムス,パトリック・デンプシー,ジェームズ・マースデン,ティモシー・スポール,イディナ・メンゼル,レイチェル・コヴィー,ケヴィン・リマ,アラン・メンケン,ビル・ケリー,エイミー・アダムス
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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 冒頭十数分のアニメパートは、今や廃れてしまった往年の手描きセルアニメの大復活。劇中にはシンデレラや白雪姫、不思議の国のアリスといった様々なディズニー作品のパロディが無数に散りばめられ......。完璧すぎるセルフパロディにもう唸るしかない、2007年のディズニー実写映画『魔法にかけられて』。ディズニーの魔法から足を洗ったはずの大人も、再びころっと魔法にかかってしまいますよ。

 おとぎの国(ディズニーアニメ)のお姫様が、悪い魔女によって追放された先は現代のニューヨーク。でもおとぎの国の常識は、現実世界ではただの奇行。突然ミュージカルを始めたり、動物を気色悪いほど溺愛したり、出会ってたった1日の王子様が助けに来てくれると信じて疑わなかったり。愛と夢と希望に溢れすぎている姫は現実の中では超浮きまくっています。

 自虐もいっぱい詰まったセルフパロディ。ディズニー好きである(あった)ほど笑えると思いますが、言っていることは伝統的なディズニー作品と変わってません。結局、愛と夢と希望です。そうなんです!

 理不尽な目にいっぱい遭ってきた大人には、愛も夢も希望もただの念仏のようにしか聞こえなくなるものですが、でも、このおとぎ話脳のド変態な姫に、ひとりの真っ当な弁護士の男性が徐々に惹かれていくのと同時に、私たちもまた、ディズニーが語る愛や夢や希望に、知らず知らずに回帰していきます。それはディズニーマジックという病の再発なのか、それとも死んだ目に灯ったひと筋の光なのか、わかりません。

(文/鬱川クリスティーン)

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