もやもやレビュー

50点の人生だって愛おしい。『世界にひとつのプレイブック』

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 先日、実家に帰ったら中学・高校時代の通知表が出てきました。当時の自分に日々土下座。『世界にひとつのプレイブック』を観ました。

 ともに最愛の人を失い、職も追われ、精神を病んでしまったパット(ブラッドレイ・クーパー)とティファニー(ジェニファー・ローレンス)。崩壊した自己を立て直すためダンスの練習に励むティファニー、そんな彼女を支えることで元妻の信頼を得ようとするパット。2人は再起をかけて、ダンスコンテストに出場することになります。
 そんな折、ギャンブルで全財産をスってしまった父パット・シニア(ロバート・デ・ニーロ)のもとに、更なる賭けの話がきます。それは、「イーグルスがダラス・カウボーイに勝ち、さらにパットとティファニーがコンテストで10点中5点でも取れたら負け金が返還される」というもの。

 ところが、コンテストはプロ並みのペアでも7点台と、なかなかシビア。そんななか、失笑を買いつつ荒削りなダンスを披露するパットとティファニー。果たして審査員の点数は...ネタバレになるので書きませんが、もちろん映画はハッピーエンドです。というかお父さん役のデ・ニーロがめちゃくちゃいいです。躁鬱状態のクレイジーな息子に向かって、「そんなお前でも俺の息子だ」みたいなことを語りかけるシーンで二度三度、泣きます。

 テストの点数や偏差値から解放されたって、あらゆる物差しで「点数」をつけられてしまうのは社会人になっても同じです。たとえば売り上げだとか査定とか、女子なら「女子度」なる忌々しい数値とか。だけど、人間誰しもどこか欠けているところがあるはずだし、あつくるしい上昇志向や過剰な同調主義についていけない人もいる。ならば自分をごまかしながら無理して100点取るよりも、ありのままの自分で50点だって大喜びできる人生を歩みたい。半分人生万歳! そんなふうに思える映画です。

(文/ペンしる子)

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