もやもやレビュー

型をブチ壊す潮流の気持ちよさ。『女は女である』

女は女である ブルーレイ [Blu-ray]
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 皆さまごきげんよう。「白くま(アイス)」の食べ過ぎでまんまとカゼをひきました。今日からはストイックに「白湯」。コレでいきたいと思います。

 ジャン=リュック・ゴダール監督の『女は女である』(1961年)を観てみました。
かかっては止まる音楽。状況説明の洒落た字幕。「勝手にしやがれをTVで観たいんだ」というせりふ(『勝手にしやがれ』はゴダールさんの以前の作品)。いつ行っても同じ場所でずっと抱き合ってるカップル......監督の「ここにこんな人がいたら面白くない!?」とか「ここでこんなことやっちゃう!?」という即興の遊びゴコロおよび実験魂が伝わってきます。

 仕事でも遊びでも、こうした遊びゴコロ・実験魂が付加されることで予定調和が一気に崩れて、新しい何かが生まれる時ってワクワクするものがあります。
1980年頃の丸井の広告コピーに「好きだから、あげる」というものがあります。モデルの方が丸井の包装紙に包まっているビジュアルで、仲畑貴志さんによるコピーです。このコピーは今見ると、当たり前のことを言っているように思えます。好きな人に贈り物をするのって普通ですよね。
しかし、この広告が世に出た当時は贈り物といえばお中元かお歳暮、あとは誕生日かクリスマスと時期が決まっていて、何でもないときに贈り物をするという概念がなかったそうなんです。
多分リアルタイムでこの広告やCMを見た人たちはすごくワクワクしたのではないでしょうか。決まった季節以外でも、好きな人にもっと気軽な気持ちで贈り物をしていいんだ!と既存の贈答文化の枠がばーんと壊れて、勢いよく新しい流れが生まれた瞬間といえます。

 ゴダールさんも、新しい波を起こして既存の枠をグラグラと揺らしにかかってきます。50年以上も前の映画ですが、自分の中に「映画とはこういうものだ」という枠があることを思い知らせてくれるゴダールさんってとっても不良だなーと思うのです。

(文/小野好美)

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