もやもやレビュー

『ソナチネ』を観て、武器って怖いなと思った。

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 家にアリが出ます。けっこう見逃してあげます。

『ソナチネ』は北野武監督の4作目の映画です。この作品が「世界の北野といえばバイオレンス」という世界的な評価を確立させた作品と言われるように、驚くほど残酷にそして淡々と死が描かれます。やくざの上の命令で部下を引き連れて沖縄に来たたけし達をライバルのやくざグループが待ち受けていました。仲間が次々に殺される中、人気のないところにアジトを作り、残酷な日常とは正反対のほのぼのとした生活を送ります。しかしやがてそのアジト敵に突き止められ・・・。

 とにかくたくさん人が死にます。いきなり爆発、いきなり銃撃戦。そんなのばっかりです。怖いよ。本当のやくざが必ずしもこういう日常ではないとは思いますが、絶対やくざはできない!と思いました。向こうだって少しも欲しくないでしょうが。

 ただ、やくざと言っても同じ人間です。一体何が彼らをあそこまで暴力的にしてしまうのでしょう? それはおそらく武器です。何か衝突が起こった時に武器が手元にあるから使ってしまうのです。あれ?もしかして今めっちゃ当たり前のこと言ってます? 家にゴキブリが出た時、その場になにもなければひたすらゴキブリが去るのを待ちますが、新聞紙があれば丸めて叩きますもの。叩こうという気持ちなんてなかったのに、新聞紙という武器がそこにあるから必死になって叩いてしまうんです。あれ?もしかして全然意味分からないこと言ってます? まあとにかく人間が武器を使ってるんじゃなくて、武器が人間を使ってるんだなってことです!! 

 暴力的なシーンが盛りだくさんにも関わらず、北野監督独特のゆっくりした間と久石譲の心に訴えかける音楽のおかげで美しいしっとりとした映画です。驚くシーンもあるので彼女とかと観ると「キャッ!」とかなって楽しいと思います。僕は1人で観てすぐ返却ポストに投函しましたけどね!!

(文/前髪ナガレ)

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