もやもやレビュー

『パーマネント野ばら』を観て、女子会デビューしたくなった。

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「女子会」という言葉に虫唾が走ります。洒落たダイニングでワインを飲みながらひたすら恋愛話って楽しいのですか、と。いえ、女子会に呼ばれたことがないのでやっかんでいるだけです。ごめんよ。ということで、『パーマネント野ばら』を観ました。監督は、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督です。

 とある田舎の漁師村に、一軒だけある美容院「パーマネント野ばら」。離婚して村に戻ってきた主人公のなおこ(菅野美穂)は、母親(夏木マリ)の営むこの美容院に、一人娘と共に身を寄せています。この村に住む女性たちは、こぞって男運がありません。というのも、この村には女にだらしないダメ男しかいないから。そんな村の女性たちのパンチパーマを一手に受ける「野ばら」は、常に下世話な会話が飛び交うたまり場に。その様子は、まるで午前2時の女子会のようです(想像で言ってます)。

 なおこは、そんな村のことも村にいる人たちのことも「大嫌いだ」と言います。まともな人間はみんな村から出て行ってしまう、と。当のなおこは、村の中学教師と穏やかな恋愛関係を続けているのですが、ここで吉田監督の得意とする「どんでん返し」があります。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ひとつ言えるのは、自分がおかしいということに自分だけが気付いておらず、だけど周りはそれを「知っている」という怖さ。ゾッとします。観たあとしばらく呆然としてしまい、立ち直れずにそのまま寝ました。

 で、そんななおこを影で見守り支えていたのは、ほかでもない母親や、同級生のみっちゃん(小池栄子)など、村の女性たちでした。数々の恋愛で傷ついてきた彼女たちはみな一様に逞しく、本当は悲しいし辛いけど、お酒を飲んであっけらかんと笑い合うんです。浮気者の旦那にボコボコにされてもなお、「どんな恋でも、ないよりまし」と言い切ってしまうほどに。

 いつまでも恋愛に生きる「女子」であり続けるって、簡単なようでちっとも簡単じゃない。そして自分がどん底のとき、ケラケラと笑い合ってくれる女友達がいることの心強さ。女子会って、意外とあなどれないんだなと考え直しました。ということで、誰か女子会誘ってください。ネタはいくらでも用意します!

(文/ペンしる子)

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