もやもやレビュー

『青春デンデケデケデケ』には男子の願望が詰まっている。

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 青春したい!と心の中で叫び続けて幾星霜。もはや妄想でしか叶わないのではという諦めもでてきました。それくらい青春って言葉に憧れています。実現できないのならせめて気分だけでもと思って観てみました。『青春デンデケデケデケ』。

 監督は尾道三部作などで有名な大林宣彦。『この空の花-長岡花火物語』や2013年末公開予定の『野のなななのか』など、現在も精力的に映画を制作されています。
そんな大林監督の映画『青春デンデケデケデケ』は、最高に羨ましい高校生活を送った男子たちの映画です。主人公は林泰文演じる藤原竹良、通称ちっくん。彼はベンチャーズのデンデケデケデケという「パイプライン」のイントロに感化されロックの道を猛進します。すぐに同級生に声をかけ、「ロッキングホースメン」として活動を開始。目標は文化祭でのライブ。倉庫やお墓で練習するあたり学生っぽいです。PVみたいですよね、お墓でロックなんて。

 個性的なメンバーですが、中でも合田富士男役の大森嘉之の演技が光ってます。近所のおばあちゃんと自然に挨拶する姿はもはや地元の人。この合田富士男という男も青春には欠かせない友達です。というのも、寺の息子という身でありながら親友のちっくんにエロ本を貸したり、女の子をけしかけたり...... いや、これはきっと御仏は全てのモテない男を救ってくださるということを体現しているんですね。最高だぜ、合田富士男!絶対あとでちっくんを陥れるんだろとか思ってごめん!

 1カットが短く、テンポが早いのもこの映画の特徴です。青春のめまぐるしさってそういうものなのかもしれませんね。どの場面でも生き生きしている「ロッキングホースメン」のメンバーを観て、座ったまま青春するのも悪くないなと思いました。学生時代に青春できた人なんてきっとひと握り。だったら映画を観て青春したつもりになっちゃいましょう。

(文/宮澤諒)

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