16歳女子高生が1回のセックスで妊娠してしまった理由がおもしろい 映画「JUNO」
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16歳のいたいけな女子高校生が、同級生とたった1回セックスしただけで妊娠、出産に至るまでの過程を描く・・・。
と書くと、なんともシリアスな雰囲気がしますが、観た人の期待を100%裏切ってくれるのがこの映画「JUNO」です。
テーマは、先ほど書いたように「16歳の少女の妊娠と出産」なのですが、同じテーマを扱っていても、杉田かおるの『金八先生』や志田未来の『14歳の母』のように、シリアスな雰囲気はほとんど感じられません。なぜなら、主人公並びに、登場人物がいたってのんきだから。
主人公のジュノは16歳の女子高生。親友の同級生の男の子と、「セックスするか『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を観るかどちらかと」という選択肢の末、彼とセックス。半ば好奇心でベッドを共にしたわけですが、そのたった1回の性交で妊娠してしまいます。
とはいえ、彼女はとっても理性的。妊娠したことを嘆くシーンはほぼなく、「経済力はないから育てるのは無理。でも、子供を堕ろして殺すのも嫌。だったら、誰かステキな里親を見つけよう!」とガンガン行動に移していきます。
また、彼女の両親や親友など周囲の人たちも、そんな彼女の若き妊娠をあまり非難せず、すぐに受け入れ、前向きに彼女とお腹の子供にとっての最善を尽くします。
起きてしまった出来事に対してぐだぐだ後悔したり、責任追及したりせず、「デキちゃったものはしょうがない」と納得して、それに対する最善策を見つけようとする姿勢がすごい! 登場人物のその切り替えの早さと問題解決能力の高さは、まさに丸の内のデキリーマンに匹敵します。
こんな家族やこんな友達、そして恋人と人間関係が育めれば、多分相当人生楽しいだろうな...とひたすら羨ましく思わされた一本でした。
(文/ハリ山トゲコ)