『地球は女で回ってる』で恋愛道も人生道もロングかつワインディングと知った。
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皆さまごきげんよう。渋谷区は笹塚の交差点にて車道と歩道の段差を読み違え自転車でズザザザザッと横すべりからの転倒、打撲と擦りキズに近くにいたおじさんの嘲笑が被さり、唇を噛みしめて這う這うの体で帰宅しました次第ですが皆さまはお元気でしょうか。
さて『地球は女で回ってる』は作品で周囲の人をこき下ろしまくり、顰蹙を買いまくっている小説家・ハリーが主人公です。
ハリーは精神不安定で分析医とお酒、薬が手放せず、中年で背も小さいキャラクターですが、何故か女性にモテまくっています。妻の妹とも秘密裏に付き合っているし、20代の教え子も彼女の方から近寄ってきます。「僕に恋をしないと約束してくれ」なんてハナに付く台詞を本気で言っちゃうし、実際に彼の周辺の女性は「ダメだ」と思いつつ彼に夢中になっていくようです・・・ホワイ。
皆さんの周囲にも、一見モテとは関係なさそうなのにモテている方、いらっしゃいませんか。可愛い女の子から彼氏を紹介されて「なぜ君がこの人を好きになったの!?」と失礼ながら驚いたことも一度や二度ならず。異性に惹かれる要因ってなかなか言語化できない領域なのかもしれません。
また年を重ねるほど経験値が上がり、男女ともに求める/求められるモテ要件が増えていくのもツラいところ。小学校の時なんて「足が速い」だけでときめいたのに・・・。
そう、人間の魅力は総合芸術。見た目、性格、仕事、収入、健康状態、特技、趣味、家族関係、交友関係などなど長所も短所もすべての要素が融合して一人の人ができあがっている訳ですから、安易にモテ髪・モテ服・モテメイクを揃えて嬉々としている場合ではなさそうです。同時に、異性を安易にディスることもまた野暮なハナシ。どんな人にもその人固有の魅力を見出せるのが真の大人なのかもしれません。ハリーに毒付いてしまう辺り、まだまだ道はロング・アンド・ワインディングです。
(文/小野好美)