もやもやレビュー

『サムサッカー』を観てケミカル物質との距離の取り方を考えた

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 皆さまごきげんよう。GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?私は特段、遠出の予定もありませんでしたので『サムサッカー』を観てみました。

 ジャスティンは17歳になっても指しゃぶりが止められない男の子。学校で不安になったりストレスが溜まったりすると、トイレでそっと親指を口へ。悩んだ彼と家族は、歯列に問題があるのかも、と歯科に通ったり、催眠術を受けたりと苦戦しつつ、最終的には多動性注意欠陥障害(ADHD)と判断され、投薬治療にいたります。

 この薬が効果てき面。飲んだ側から頭が突然冴え渡り、指をしゃぶることもなくなり右肩上がりの快進撃で性格も強く前向きになっていきます。しかしライバルに「その薬は覚せい剤とほとんど同じ組成だ」と批判され、動揺した彼は薬なしでディベートの大事な大会に臨むも撃沈。その後もごみ箱に捨てた薬を漁る夢を見てしまい、あまりに効果の強い薬に翻弄されてしまいます。

 確かに普段、鎮痛剤にしろ風邪薬にしろ、あまりにカンタンに効くと助かる半面、怖いな、とも思います。そこで目指すはケミカルなものを排除したナチュラルでオーガニックな生活!と言いたいところですが、自然食品屋さんで買った無農薬のレタスに葉とまったく同じ美しい緑色をした小さな虫がわんさかついていたりして、即挫折。

 農薬、合成保存料、放射能にフードマイレージ、フェアトレード・・・あらゆる情報が入ってくる私たちの社会だからこそ、身体にも環境にもなるべく負荷をかけたくないのは本心ですが、徹底しすぎて窮屈なのも本末転倒。無理やり薬を断って次のステップへと進んだジャスティンは格好良かったですが、高熱なんか出た日には自然療法とばかりも言ってられなかったりします。身体の声を聞きながら、時にはケミカルなものの力も借りつつバランスを取っていくのが心身の健康にはいいのかもしれません。

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