もやもやレビュー

『アベンジャーズ』を観て、天才はチートできてもしない! コツコツが大事らしいと、思った。

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 宝物にしているきれいな紙のメモ帳を貸したら、上から10枚くらいに折り癖をつけられて返ってきました。気にはしません。

 というわけで、泣きながら『アベンジャース』を観ました。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、インクレディブル・ハルクという4人のアメコミヒーローと、アサシン男女(人間)が、世界滅亡を救うために宇宙からの侵略者と戦う話。世界歴代3位の興行収入(2012年ではトップ)という大ヒット映画。とはいえ、どれも観たことないし、楽しめるかどうか心配だし・・・と、尻込みしている人もいるかと思います。尻込んだら負けです。私もまさにその不安を抱えながら観たら、最初の30分くらい意味がわからなくて蚊帳の外状態でした。すでにできあがっている友達の輪に入れないときの、微妙な気持ちとよく似ています。映画でまでその気分を味わうことになるとはな! でもそこで帰ったら負けだ! 切り込め! 見えない壁を突破するんだ! 友達の輪を突破する勇気を与えてくれる映画でもあります。

 さて、チート的な能力を持ったスーパーヒーローたちが集結しているとはいえ、戦いの様子はこれがけっこうコツコツ系です。空に開いた穴から次々と宇宙人が入ってくるのでキリがない。しかもキャプテン・アメリカと人間(アサシン)は空を飛ぶ能力すら持っていませんから(でも宇宙人には飛べる乗り物がある。不利すぎる)、白兵戦でコツコツ倒していくしかありません。一方のアイアンマン、マイティ・ソー、ハルクは空中戦もいけますが、全体攻撃で殲滅というのもなかなかに厳しいようで、これまたコツコツと敵をつぶしていく感じ。キリねーよ!! マイティ・ソーとかさ、雷攻撃連発しれ! したったれ! ヒーローたちが一番そう思ってそうですけど。(という具合に、ひとつも元ネタを観たことがなくても、中盤以降はしっかり友達の輪に加われますのでご安心ください)

 ヒーローといえどもコツコツやってるんです。コツコツの先のカタルシスを感じているんです。コツコツ努力するのは面倒、天才ならよかったのに。と、思うことはよくありますが、天才の人たちこそコツコツを積み重ねているのかもしれません。コツコツの大切さを教えてくれる映画です。

(文/鬱川クリスティーン)

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