もやもやレビュー

『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』を観て、母親の向上心のなさに感謝した。

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 母親から「iPod買ったよ」というメールが来たのですが、「iPod」のつづりが「IPOd」になっていました。がんばれ、超がんばれ。

 今回は、『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』を観ました。原題は『election(選挙)』。高校の生徒会選挙をめぐり、学校イチの優等生と、その彼女を阻止しようとする教師のお話です。邦題からは想像がつきませんが、「人を蹴落としてでも上に立つ」というアメリカ人の上昇志向を皮肉った映画でもあります。

 主人公のトレーシー(リース・ウィザースプーン)は、稀に見る強烈な野心家で、次の選挙で生徒会長の座を狙う女子高生。生徒からの信頼は集めているけれど、本当の友だちはいません。選挙に勝ってキャリアアップすることが学校生活のすべてで、平気で人を踏み台にします。敵に回すと厄介だけど、進んで友だちにはなりたくないタイプ。"自分の正当性ばかりを主張する"とか"自分に都合のいい嘘をつく"いう、キラワレ者の典型みたいな性格をしてます。そんなトレーシーの性格を形成させたのは、ほかでもない、お母さんだったんです。

 トレーシーの強烈な野心や向上心は、弁護士事務所に勤めるお母さんの洗脳的な教育によるもの。娘のために「成功する秘訣」を著名人に聞きまくったりしてますから、なかなかのクレイジーです。しかしトレーシー、教師の陰謀により生徒会選挙に負けてしまいます(最終的に教師の不正がバレて、生徒会長の座につくのですが)。そこでお母さん、泣きじゃくる彼女を優しく慰める...のかと思いきや、鎮静剤を飲ませて寝かせるだけ。しかも「ポスターが原因かしら。それとも演説が悪かったのかしらね。起きたら反省会しましょ」と言って立ち去ります。こんなふうに日々追いつめられてたら、そりゃトレーシーの性格も歪みます。

 うちの母親は専業主婦なのでよく分からないのですが、こういう親子のやりとりって、エリート家庭ではよくあることなんでしょうか。だとしたら、平凡家庭万歳です。生まれて初めて、母親が向上心のかけらもない人で良かったと思いました。この週末は、iPodの使い方を教えてあげるために、帰省しようと思います。

(文/ペンしる子)

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