もやもやレビュー

『マネーボール』はブラピに感情移入できる貴重な映画だと思った。

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 みなさんは野球を見ますか? 野球って観るだけじゃなくて、友達と語り合うのが楽しいスポーツですから、みなさんにおかれましては疎いことと思います。そして何よりも僕たちが1番苦手な体育会系ってやつです。野球やってる人とは話すのも怖いに違いありません。でもですね、メジャーリーグで、この体育会系のノリに文化系のノリを導入しようと試みた物語が、今日紹介する実話をもとにした映画『マネーボール』なんですよ。

 予算がなく、選手の補強もできず、くすぶっている球団、オークランド・アスレチックス。同じアメリカンリーグで、日本で言うところのジャイアンツであるニューヨークヤンキースの予算金額はなんと倍以上。その少ない予算で勝つためにブラットピット演じるビリー・ジーンGM(ゼネラル・マネージャー)が導入したのが、統計学。名門イエール大学の経済学で学んだピーターをアシスタントに据え、あらゆる偏見を排除し、出塁率という統計だけで、選手の補強を開始。理解を示さないスカウトや監督(もちろん体育会系のノリ)と戦いつつも、前人未到の20連勝を記録、地域リーグで優勝までこぎつけます。そして満を持してワールドシリーズに挑むことになるのですが、その後は映画を観てもらうこととして。

 とにかく気合でなんとかなる世界と思われがち(主に中畑監督の影響)な野球に理屈を導入した野村監督のごとき爽快感。絶対普段はモテなさそうなピーターが大活躍するので、僕ら文化系は安易にピーターに感情移入しがちですが、ここはぜひともブラピに感情移入して楽しく鑑賞しましょう。ブラピに感情移入なんて他の映画では不可能です。そういう意味でも貴重な映画なんだと思います。

(文/神田桂一)

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