『桐島、部活やめるってよ』を観たら、しょぼい学生代表が映画部だった。
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この前高校の同窓会がありました。しょぼい学生時代を思い出して悲しくなりましたが、案外、ヒーローだったあいつやあの娘も普通の人になってたりして安心したりもしました。そんなみんな普通になる前の、学校内序列(スクールカースト)まっただ中を描いた映画が『桐島、部活やめるってよ』です。
登場するのはさまざまなカーストに所属する人たち。まずしょぼい学生代表の神木隆之介扮する前田が映画部ってところでひと笑いできます。はやり映画部にはそういう人材が集まりやすいのでしょうか。その他、学年のヒーロー的存在、桐島の友達で帰宅部の菊地やその一派のいわゆるリア充組。もちろん女子も目立つグループと目立たないグループそれぞれ登場します。
ここで誰に感情移入できるかが学生時代どうすごしたかを如実に表しますよね。まったく接点のなかったそれぞれの物語は最後に交わるのですが、どのカーストの人もそれぞれの人物に感情移入しながら楽しめるという点においてよくできた映画だと思います。
この映画にはどんだけしょぼくてもやりたいことをやってる人が幸せなんだぜというメッセージも込められています。前田はしょぼいしモテないけど映画に打ち込んでます。リア充組代表の菊地は確かにモテるけど何をしていいかわからない人。そんな菊地が前田のことをうらやましく思って泣いてしまうシーンが印象的。
でもね、モテたほうが幸せだよ!俺も女の子と自転車二人乗りとかしたかったよ!そんな学生時代のトラウマを思い出せてくれる映画なのでした。
(文/神田桂一)