前知識なしに『ベルセルク』を観ると、こうなります。
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スプラッタが苦手です。血と骨がダメなんです。なので、戦闘モノとかゾンビ映画とか、ホラー映画も、サスペンスすら観られません。しかしもういい大人なので、そろそろ克服したいと思いまして、三部作のパート3が公開を控えているという『ベルセルク』を観ました。『黄金時代篇I 覇王の卵』と『黄金時代篇II ドルドレイ攻略』の2本立てです。
三浦建太郎先生による原作漫画は、1989年からいまも続いている超大作ですが、「ものすごく長くて、戦ってる話」くらいのぼんやりとした知識しかありませんでした。だって、漫画を貸してもらえる友達も、詳しく教えてもらえる友達もいないんで...。そんな状態でいきなり映画を観るとどうなるか。こうなります。
アニメ映画版は、原作の3〜13巻、「黄金時代」を描いています。ざっくりいうと、我が道をゆく孤独な一匹狼タイプのガッツと、「鷹の団」団長で騎士タイプの美青年・グリフィスが、出会って戦って仲間になって、敵陣と戦ったり、たまに超強い怪物と戦ったりします。紅一点、何かとボディーを狙われがちな男勝りのツンデレたん・キャスカは結局どっちが好きなの?的ことも思います。で、愛と憎しみと夢と名誉と友情とがいろいろアレする話。あと結構エロい。
ほとんどが戦闘シーンなので、首ポーン! 手足スパーン! 血プッシャー!という感じで、終始薄目でした。予想通りでしたが。で、とにかく人がエグい死に方でじゃんじゃん死ぬんですが、やっぱりメインキャラは死なないんですね。グリフィスなんて、冒頭でガッツにボコ殴りされても唇の端がちょっと切れる程度で済んでますから。だって、誇り高き美青年ですからね。
で、気になったのは、パート1でグリフィスが伝説の怪物・不死のゾッドに殺されそうになるんですが、その時にガッツがこう叫ぶところです。
「そいつは...、俺の...、俺の...!!」
言って! その先、言って! 「友達だー!」って言って!
というか、グリフィスとガッツは友達である以前に上司と部下の関係なので、その辺、グリフィスは一見ドライかもしれません。「(部下は)仲間だが友ではない。友は人の夢にすがったりしない。自分の生きる理由は自らが定め、進んでいく。夢を踏みにじるようなら全身全霊をかけて立ち向かう。それがたとえ私であっても。私にとって友とは、そんな対等の者」と言います。この言葉をきっかけにガッツは「鷹の団」を退団しグリフィスの元を離れ、自らの道を生きる決意をします。それがパート2の終わり。
パート3では、再び2人が出会うのですが、グリフィスはいろいろあって拷問の末、見るも無惨な廃人同然になってるらしいです。どうするガッツ! どうなるガッツ!
ということで、『ベルセルク』をまったく知らない人のレビューが何の役にも立たないことが分かりました。ものすごくモヤモヤしてると思うので、ぜひ映画を観てみてください。
(文/ペンしる子)