もやもやレビュー

『誰も知らない』を観ていい父親になることを固く決意した。

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『誰も知らない』は是枝裕和監督が15年間構想を練った末に2004年に公開されました。アパートから追い出されないようにひっそりと暮らす4人兄弟の母子家庭。学校にも行けず貧しい生活を送ります。そしてある日、だらしない母親は男を作り、少しのお金と子供たちを残して家を出て行ってしまいます。そこから大人は誰も知らない兄弟だけの生活が始まります。みんなで生きていくために長男は料理を作り、公園で水を汲み必死で生きていきますが、貯金もなくなり電気も停まり、極限の生活に追い込まれ、最後には一番下の妹が衰弱して死んでしまいます。冷たくて残酷な現実に観ていて辛くなるほど悲しいお話なのですが、驚くべきことにこの映画は実際に1988年に起こった「巣鴨子供置き去り事件」という凄惨な事件を題材にしています。まじか......。
 長男のあきらを演じた柳楽優弥は、カンヌ国際映画祭で最年少かつ日本人として初の主演男優賞を受賞しました。この長男あきらが健気で泣けます。母親に裏切られたことを理解できない、したくない兄弟たちのために母親からもらったとウソをついて自分で用意したお年玉をあげたり(自分で用意した自分用のお年玉を開けて「4千円だ」なんて言うシーンはマジで泣ける)、みんなで食べるためにクリスマスケーキの値下げを寒い中待ったりともう涙がでます。もう素晴らしい演技力!! この悲しい映画を観て「子供にこんな思いはさせない! いい父親になって素敵な家庭を作るぞ!」と固く決意しました。......って相手いねえよ!! まず父親になれねえよ!! 映画観て人の物語憐れんでる場合じゃねえ!! 
 家庭を大事にしたい方にはおすすめの映画です!

(文/前髪ナガレ)

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