もやもやレビュー

『人のセックスを笑うな』に見る、魔性の女の下着考.

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「恋に落ちる、世界がかわる。19歳のボクと39歳のユリのいかれた冬の物語」がキャッチコピーの映画、『人のセックスを笑うな』を見ました。乱暴にまとめると、松山ケンイチ演じるみるめが、永作博美演じるユリ(既婚者)に骨抜きにされる話。
 ストーリーはさておき、筆者がどうしても気になってしまったのが永作博美演じるユリの着替えシーンでのひとコマ。黒タイツ(おそらく40デニール)の上にパンツをはいているではないですか。舞台は冬とはいえ、それは毛糸のパンツではなく、もちろんブルマでもありません。心を落ち着かせて確認しましょう。通常、パンツ→タイツ→スカート。つまり、スカートを脱いだら、まずタイツが現れます。そして、その下にパンツが透けて見えたり、見えなかったり。おそらく40デニールだと結構透けるので、エロすぎてお洒落じゃない。シルエット的には江頭2:50になるはず。つまりはそれが嫌で、タイツの上にパンツをはかせるという、視聴者に難題を突きつけるスタイリングが行われたのでしょうか。それとも、永作サイドの事務所もしくは本人NGだったのでしょうか? 映画ですもの。ファンタジーということで片付けるべき? もしかして、タイツの下にはもう一枚パンツをはいている? もう頭の中は「?」だらけ。

 この映画のスタイリングを担当されたのは、橋本庸子さん。ファッション誌をベースに、映画のスタイリングのお仕事もいくつかされているようです。松山ケンイチ演じるみるめが着ているダッフルコートのサイズ感や、ユリの持つトートバッグのパイピングが茶色なところ、マフラーの長さ...。色々と絶妙すぎるスタイリングから察するに、タイツonパンツは絶対に確信犯。ぐーっと目を凝らし、しばし熟考。そして導き出したのは、「パンツonタイツonパンツ」という結論です。おそらく、タイツの下にはいい具合にエロいパンツをはき、そしてタイツ。その上にはいているのは、オーガニックコットンに8%くらいカシミア入り。シルクだって入っているかもしれない。だって、ユリの足元をみればタイツのうえに靴下をはいています。そうか、ユリは冷え性なのか。天然の魔性を表現するのに、これ以上のスタイリングはありません。あっぱれ。

(文/森 亜紀子)

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