『ぼくのエリ 200歳の少女』で学んだ断られるリスクの少ない誘い方。
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ヴァンパイヤという古典的な題材を、死ぬほど美しく、おぞましく描いた超名作『ぼくのエリ』。主人公の少年・オスカーくんの浮き世離れ感のある美形ぶり、ヴァンパイヤのエリが発しているなんともいえない違和感。さらに舞台である冬のスウェーデンの、まったく温度を感じさせない冷たい風景など、すべてが美しくとても芸術的です。
この映画に学んだのは、偶然出会った気になる人ともう一度会いたいが、断られるのが怖くて連絡先を聞けないでいる時の攻略法。もしかすると常套手段なのかもしれませんが「まず物を貸す」というテクニックです。
主人公のオスカーくんは、非常に美形ではありますが、かなり内気で根暗でおまけに悪趣味で、そういう負の面がもろもろ祟って友達がいません。しかしある日、アパートの前で偶然エリという少女(のような人物)に出会って、友達になりたいと思ってしまいます。そこで彼がやったのが、持っていたルービックキューブを手渡すということです。受け取ってくれればまた会ってもいいと思っているということ。受け取ってくれなければ、次はもうないってこと。物があると断られるのも間接的でいいです。劇中では、エリがルービックキューブを受け取ってくれて、それをきっかけに2人は打ち解けていきます。この物貸し作戦のいいところは、いきなり連絡先を聞くよりも、先に相手の反応を見ることで、断られるリスクを減らせることでもあります。
ちなみに貸し出す物については、2度目のミートの際にプレゼント可なものがベストと思われます。さらに言えば、ルービックキューブのようなどうでもいい物の方が良さそう。どうでもいい物なのに借りてくれる=相手のもう一度会いたい度が高い。オスカーとエリの場合も、エリはルービックキューブを知らなかったけど借りてくれました。だから、そもそもエリもオスカーに多少興味があったんだと思います。
ただ問題は、そもそも話しかけられるかどうかです。
(文/鬱川クリスティーン)