もやもやレビュー

キャメロン・ディアス主演『クリスティーナの好きなこと』で、リア充の真髄に驚愕。

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「リア充と呼ばれたい」。そんな秘めたる思いを日々悶々と抱えている筆者です。でも、いったいなにをすれば「リア充」認定されるのか。毎晩クラブに行けばいいのか、週末は海辺でBBQをすればいいのか。いや、女子会参加か? どうしてもリア充になりたくて、「究極のリア充映画」との呼び声が高い、映画『クリスティーナの好きなこと』を観てみることにしました。

 キャメロン・ディアス演じるクリスティーナは、ルームシェア仲間のコートニーと、2人と仲良しの友達ジェーンと一緒に、オシャレライフを満喫する28歳の超モテ女。日中は広告関係の仕事をバリバリこなし、昼はみんなで女子会、夜はクラブ遊びなどにいそしんでいます。もうここまで書けば察しのよい方はわかると思いますが、彼女たちは絵に描いたようなリア充なんです(ちなみに友達のコートニーは弁護士、ジェーンはブティック勤務。どちらもオシャレです)。

「恋愛マニュアル本なんていらない。時間の無駄」と言う言葉通り、いろんな男と刹那的な恋愛を楽しむクリスティーナですが、ある晩、クラブに出かけると、かわいいイケメンに出会います。そのイケメンがどうしても忘れられないクリスティーナは、コートニーと2人で、「彼が出席するから」という理由だけで、誰にも呼ばれていない結婚式に潜入を試みます。クラブ遊びやルームシェア、女子会など、なんとも楽しそうなワードが飛び交いますが、この映画で観るべきは、彼女たちがどうやって人生を充実させているのか。

 たとえば、冒頭。登場早々、仕事の帰り道を楽しそうに踊り歩くクリスティーナ(ちなみに本作はミュージカル映画ではありません)。つまらない帰宅道をシェイプアップに利用するその発想、マジで頭が下がります。また、ドライブ中には、隣を走っているライダーを、暇つぶしに誘惑して楽しんでみたり。一時も無駄にはしません。

 極め付けは、田舎の洋品店での一コマ。とある事情で洋服がずぶ濡れになってしまったため、結婚式出席用の服を探そうとおばあちゃんが運営するダサい洋品店に入った2人。その店にあるレトロな洋服を見て、「ヤバイ! この店!」と盛り上がり、店主おかまいなしに『フラッシュダンス』のアレックスや『グリース』のマドンナ、『プリティ・ウーマン』のジュリアロバーツなど、有名映画のコスプレに興じはじめます。お互いの変装っぷりを見て、ウハウハ大爆笑のクリスティーナとコートニー。

 やばい。なんでこんなに人生を楽しめるんだ。もう、目からうろこの連続です。BBQやクラブ遊びとかオシャレツールがなくても、普通の日常を24時間全力で楽しむその超ポジティブマインド。そう、これこそ、まさにリア充の真髄なんですね。一番やってみたいのはレトロ洋品店でのコスプレですが、一緒にやる友達がいないので、まずは帰宅時には踊りながら歩いてみたい。そう思います。

(ハリ山トゲコ)

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