もやもやレビュー

女の懐の深さを垣間みた。『今野杏南 あんちょびーむ』

DVD>今野杏南:あんちょびーむ (<DVD>)
『DVD>今野杏南:あんちょびーむ ()』
今野杏南
竹書房
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 ひょんなことから、イメージビデオってやつを見てみました(筆者、女性です)。石原さとみに似ているグラビアアイドル、今野杏南のイメージビデオ「あんちょびーむ」です。なにやら、タイトルからプンプン臭います。
 一応、杏南ちゃんは大学三年生という設定はあるようで、テニスサークルの練習を思わせるシーンからはじまります。帰り損ねた後輩を捕まえ、名前おぼえにくいからといちゃもんをつけ、あだ名をつけちゃいます。
「小太りだからこぶちゃんね」
 なんでしょう、これはツンデレ戦法なんでしょうか。見ている男子は、「うん、僕こぶちゃん!」となるのでしょうか...。いや、逆にいえばそこらへんがマーケットなんでしょうか。なんて、出だし3分で首を傾げてしまいましたが、先へと進まねば...。すると「こぶちゃん、すごい汗! あんなも暑くなってきちゃった! 脱いじゃお」ときたもんだ。もちろん、すぐには脱ぎません。ポロシャツをぺろんとめくってみたり、下ろしてみたり、おっぱいもむぎゅっと寄せてみたり、ちゃんとじらします。脱いだ下は、紐なしのビキニ。おっぱいの上部65%が見えているそれでテニス再開。ここからが長くて、ぶるんぶるんと続きます。
 その後も、こぶちゃんを「コーヒー飲もうよ」と自宅に連れこんだかと思えば、ノーブラ&半ケツのセクシーな格好でおもむろに掃除とか始めちゃいます。人を招いておいて、掃除でじらす! なんだそりゃ。そうかと思えば、お風呂にだって誘っちゃいます。ここでのくねくねがまた長い...。どうしても、同じシチュエーションで長いエロシーンが続くと、彼女の心中を思わずにはいられません。そりゃ仕事だけどさ。「おい監督、まだか? まだなのか?」という杏南ちゃんの心の声が聴こえてきそうです。それとも、圧倒的な母性でもって、「うん、TVの向こうのみんなが満足するまで、杏南ぶるぶるするよ」という気持ちなのでしょうか...? 「仕事ッスから」という職人のような気持ちという可能性もありえるかも。
 そこにストーリーはありません。辻褄なんて関係ないし、突っ込むことが甚だ筋違い。だとしても、こんなにも話が早くて、ものわかりのいいエロい女を生み出す、男という生き物に脱力です。むしろ、それにつきあう女の懐の深さに打ちのめされます。確かに、おっぱいの多幸感ってハンパねぇ。それもまた事実。イメージビデオとは、男のファンタジーなんですね。あ、エロ家庭教師にも扮しています。

(文/大門さゆり)

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