いろんな意味で異端なヒーロー『ゴーストライダー』
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マーヴェル・コミックの人気キャラを映画化した『ゴーストライダー』。来年3月に2の公開を控える、ニコラス・ケイジ主演作です。本作ではいつもより毛が多いニコラス・ケイジ、どうやらカツラのようです。
さて、冒頭はニコラス・ケイジの少年時代の話から始まります。なぜニコラス・ケイジがゴーストライダーになってしまうのか、の話です。ただし少年時代を演じている俳優がまったく似ていないため、13年後にニコラス・ケイジになる気がしません。完全に別人なのに、13年後に元カノと再会しても「変わったわね」のひと言もなくスルー。それもそのはず、彼女も別人になっています。色白美人から地黒な女性へと変貌していますから。
そんなわけでのっけから「ん?」な気配が漂いまくっている『ゴーストライダー』。キャラ的には、悪魔に魂を売ったことから夜になると変わった姿に変身してしまうダーク・ヒーローですが、変身後の姿がアレな感じ。簡単に言うとライダースジャケットを着た骸骨で、頭の部分が炎に包まれています。かなりザ・バイク野郎!といった雰囲気。この時点で多くの女子は興味をなくすでしょう。でも彼、悪魔に魂は売ってはいますが、やっぱりヒーローですから善良な市民を救ってくれるいい人です。ヘビメタな兄ちゃんに絡まれているところを救われたヘビメタ風の女子(太め)なんかは、ゴーストライダー(変身後)のことを「かっこいい」と評しています。確かにいい人かもしれないけど、かっこよくはないだろ。
けれど、燃えさかるバイクで街中を走り抜けるゴーストライダーの姿を観ているうち、いつの間にかかっこく思えてくるから不思議です(思い違いかもしれませんが)。タイヤの跡に沿ってアスファルトが溶けてしまったり、沿道の店が爆発したりと、ただ走ってるだけで街が壊れまくる迷惑なライダーですが。また途中、警察に濡れ衣で捕まってしまうんですが、対する刑事が「この世には2種類の人間しかいない。いい奴と......悪い奴だ」なんてことを言うのですが、あまりにありきたりな言動過ぎて、「悪い奴だ」の前でちょっとためる必要があるのだろうか、と、感じずにはいられなかったりも(そういえばこのセリフ、犬神家のダメ刑事も言ってました。ダメ刑事の定番セリフなんですな)。まあ愛すべき映画なのです。
ちなみにニコラス・ケイジの少年時代を演じた俳優はマット・ロングという人なんですが、Googleで画像検索するとロングタイプのトイレマットの画像しか出てきません。残酷です。もう、いろんな意味で、素敵すぎる映画です。しかしどうやら2はすごいようです!
(文/根本美保子)