『リリィ・シュシュのすべて』を観るとエヴァンゲリオンを見返したくなる。
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鑑賞後『ダンサー・イン・ザ・ダーク』級に鬱になる『リリィ・シュシュのすべて』。岩井俊二監督の2001年の公開作です。寝る前に観ると寝付きが圧倒的に悪くなります。次の日はちょっと死にたい気分でした(死なないが)。映画のパワーというのは恐ろしいですね。
今にも通じる中学生を取り巻くいじめや自殺問題を主題に、破滅と光が同居した痛くて残酷な世界が描かれたこの映画。多くの人がそう感じると思いますが、やはり重ねてしまうのは『新世紀エヴァンゲリオン』です。特に本作で映画デビューを飾った市原隼人(まだ熱くもないし走ってもいません)が、キャラクター的にほぼシンジ。ただし、ただのケンジと思っては困ります。この時の市原隼人は神がかり的にイケメンです。共通点としては、自分の意思とは関係のなく勃発するいじめや自殺などの事件に必然的に関わり合ってしまう立ち位置、リリィ・シュシュの掲示板の管理人であることなど、ある意味「特別な子ども」というところでしょうか。とにかく、早い話がケンジです。そしてアスカ=蒼井優(割りと近い)、綾波レイ=伊藤歩(ちょっと無理矢理)と、他キャストのキャラクターも重なるものがありますので、ぜひ見比べてみてください。リリィ・シュシュという存在と、エヴァンゲリオンという存在も、機能として似ている気がします。上手く説明できないので、投げっぱなしにしておきますが。
ちなみにリリィ・シュシュ公開の前年である2000年には、庵野秀明が監督した実写映画『式日』に、岩井俊二が主演。やはりリリィ・シュシュとエヴァ、何かあります。
思春期の時に観ていたら、きっと田んぼの鉄塔の上から羽ばたいていたかもしれないわけで、大人になってから観てよかったなと思います。
(文/根本美保子)