もやもやレビュー

『アニー・ホール』を観て、友達がいないことを誇りに思った。

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 友達がいないと人前で言えるようになったのはつい最近のことで、20代の頃までは友達の少なさに思い悩んでいた筆者が通ります。ただ、リア充なFacebookフレンドの満ち足りた暮らしを写し取った写真を見のが苦痛で仕方ありません。見るなと。

 さて、友達がいない人生で何度となく考えたこと。それは、なぜ自分には友達ができないのか、ということです。性格の悪さか、ドタキャンのせいか、はたまた話がまったく弾まないせいか。全部です。でも周囲の友達のいない人と自分の共通点を考えてみると、「ひねくれている」という点が浮き上がってきます。

 ウディ・アレンの代表作『アニー・ホール』の主人公もそうです(これ、ウディ・アレンの自伝的な映画です)。主人公はウディ・アレンが演じていますが、ある時母親がズバリと言いました。
「お前は人のアラばかり探すから友達ができなかった」

 それからもうひと言、なぜ自分には恋人ができないのか、またできたとしてもなぜ上手くいかないのか。その原因を、本人がひと言で言い表した自虐名言がこれ。
「私を会員にするようなクラブには入りたくない」

 つまり友達がいない人とは正直なのです。正直過ぎて、生きにくいのです。あと真面目であるともいえます。友達がいないことは、むしろ誇り。勲章なんです。とか自画自賛していないと、寂しくてやってられません。

(文/根本美保子)

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