もやもやレビュー

堺雅人の微笑はやっぱりモナリザ級。『ツレがうつになりまして』

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 筆者が初めてその微妙な笑みを目の当たりにしたのは、8年前に放映されたの大河ドラマ『新撰組!』でした。こんなに微妙な笑みがあるのかという、あの衝撃は今も忘れられません。以来、毎週微笑を楽しみにしていましたから、切腹してしまった時は残念過ぎて泣きました。というわけで、山南敬助役があまりにも印象的だったために、当時ネットでは山南マンなんて呼ばれていましたが、それがあまりにも秀逸な呼び名だったので、筆者にとって堺雅人は永遠の山南マンとなっています。なので失礼ながら、親愛の情を込めて、以降も山南マンと呼び続けたいと思います。

 そんな山南マンは(恐らく)『新撰組!』でブレイクして以来、様々なドラマや映画に出演しています。そんななかでも、『ツレがうつになりまして』はその微妙すぎる笑み、微笑が素晴らしく作用している作品のひとつではないかと思ったりしています。
 タイトルからしてわかると思いますが、『ツレがうつになりまして』で山南マンが演じているのは、鬱病にかかってしまうサラリーマンです。その微笑の陰にひしひしと感じる病気の辛さ、あまりにも切なさを誘います。なかでも、本当に苦しくて辛くて泣き出してしまうというシーンで、山南マンが見せてくれる微笑泣きともいえる泣きの演技は、これまで見た中で最強の泣き演技。ただの泣きではなく、微笑からの泣きです。あまりにも深遠な泣き顔、天性の微笑みを持っている山南マンにしか成し得ないものだと思います。この泣き顔を観ずして、山南マンを語ってはいけないのです。

 モナリザの微笑みは永遠の謎といわれますが、山南マンの微笑みもまたモナリザ級にミステリアスです。モナリザの顔を山南マンにすげかえても、きっと名作になると思います。そのくらい、国宝級の微笑なのです。

(文/鬱川クリスティーン)

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