もやもやレビュー

アベンジャーズの次はこれ。『座頭市と用心棒』

座頭市と用心棒 [DVD]
『座頭市と用心棒 [DVD]』
勝新太郎,三船敏郎,若尾文子,米倉斉加年,嵐寛寿郎,岡本喜八
東宝
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 勝新太郎の『座頭市』と、三船敏郎の『用心棒』が激突! ということで、約40年前に「座頭市」シリーズ20作目として大ヒットを記録した映画が『座頭市と用心棒』です。座頭市は大映、用心棒は東宝と違う会社の看板ヒーローが同時出演しているんですから、DCコミックのバットマンとマーヴェルのスパイダーマンがタッグを組むようなものです。ただしこの作品の用心棒と、黒澤映画の用心棒は別人ということにはなっています。どう見ても同一人物ですけど。

 作品タイトルに座頭市が先に来ていることからもわかるように、本作は座頭市寄りに描かれています。なので、三船敏郎派だった筆者も、座頭市こと勝新太郎に感情移入。というか勝新太郎のことは伝説的な人物ということだけは耳年増的に知っていましたが、動く勝新太郎はあまり観たことがありませんでした。
 しかし! 思いのほか、勝新とは萌える存在でした。座頭市という役柄がそうだからなのかはわかりませんが、何というかテディ・ベア的な愛らしさを感じてしまったのです。しかも、プロのマッサージ師という設定でありながら、まったく気持ちよくなさそうな揉み方をするところも最高です。志村のコントとほぼ同じ揉み方。これは捨ておけません。
 その上で、カッコいい。音速で刀を抜くと、次の瞬間に敵が死んでいるという太刀捌きには痺れます。女子はテディ・ベア感覚で、男子は憧れの男として。男女ともに楽しめる素晴らしい映画だと思います。

(文/鬱川クリスティーン)

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