芝居でセリフを3回噛んだら引退? 宮藤官九郎が引き際を語る

どうして人はキスをしたくなるんだろう?
『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』
みうらじゅん,宮藤 官九郎
集英社
1,296円(税込)
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いよいよ最終週がはじまるNHK連続テレビ小説『あまちゃん』。脚本を担当した宮藤官九郎は、脚本をはじめ、映画監督、俳優、ミュージシャンなど多方面で活躍していますが、10月10日からはラジオ番組『オールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)の木曜パーソナリティーを務めることも決定。その活動の幅は広がる一方です。

そんな宮藤さんが、みうらじゅんさんとの対談のなかで「引退」について語っています(書籍『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』より)。

そもそもスポーツ選手のように引退の時期が問われるような職業でもなく、会社の定年のようにわかりやすい引退のタイミングもないのが宮藤さんの仕事。続けようと思えばいつまでも続けられることが、悩みの種なようです。

「自分にとってヒーロー的な存在の人が、歳取ってボケていく姿って見てて悲しい」と考えているようで、自身も老いてしまう前に「まだイケる」「もうダメ」を判断したいとのこと。

そこで思いついたのが、細かいジャンルに応じた引退の基準を独自につくるというもの。例えば、演劇では「一本の芝居のなかで3回セリフを噛んだら引退」。また、テレビなら視聴率、映画なら観客動員数など、数字を頼りに引退を決めようと考えているそうです。

「定年まで勤めて区切りつけた人って、本人も周りのみんなもすがすがしい顔してるじゃないですか。あれがうらやましいんですよね」とボヤく宮藤さん。

ただ、仮に「100万円払うから、もう書かないで」と言われても、それを元手に自主映画を撮ってしまいそうと話しているあたり、まだまだ引退する気はなさそうです。

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