渋谷直角さん 『このマンガが酷い!2013』ベスト1決定!? 話題の新刊について語る
- 『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』
- 渋谷 直角
- 扶桑社
- 1,188円(税込)
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2013年9月4日、下北沢の本屋B&Bにて、新刊『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』が、「『このマンガが酷い!2013』ベスト1決定!」と話題を呼んでいるライター、漫画家、コラムニストの渋谷直角氏に、博報堂ケトルの原利彦氏がインタビューを行った。
本書はもともと、渋谷氏が知人主催の古本イベントに出品する目的で、鉛筆書きコピー刷りにて制作し、販売をしていたもの。それが業界内外の話題を呼び、このたび扶桑社より単行本として刊行されるに至った、といういきさつがある。
渋谷氏に経緯をきいてみたところ・・・
「そもそもそんなに大きなイベントでもなかったのですが、業界関係者や買ってくれた人がTwitterやFacebookなどで"ヤバいっ!"って口コミで広がっちゃって。そこで、元々コラムの担当をしてくれていた扶桑社の編集者さんから作ってみないかと誘われて、"じゃあ出しましょう"ということになったと。これは完全に僕、ドリーマーですよね?!」
今回収録されている作品のタイトル全てが、ことごとく長く、そして心に突き刺さってくるものとなっている。
・『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』
・『空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋』
・『ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園』
・『口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画 (MASH UP)』
「某新聞社でも長いタイトルは売れないのにと言われたけれど、話題になって嬉しいです。タイトルにあわせて何者かになりたいひとの悲喜こもごもなストーリーを作っていきました」
最後に、本書の制作を振り返ってもらった。
「やっぱり僕ってガチの漫画家ではなくて、あくまで肩書きはライターなので、ガチの漫画家さんに引け目を感じたりもしています。でも、ライターとしてマガジンハウスでずっと使ってもらってた経験などを、今作のディテールとして細かく表現できたのは、自分にしか描けないモノではあるかな、と思います」
発売後反響も大きく、早々と重版を重ねているという本書。読んで"コイツはオレだ!"と思い当たる方は、多くいるだろう。そして、その気持ちを自分だけにとどめるのではなく、「是非、隣の友人にも味あわせたい!」と感じさせる一冊である。そこに、ヒットの理由があるのではないだろうか。
ちなみに、本インタビューの模様は、FM NACK5の番組『FOX BOOK&DRAMA』(毎週日曜日 深夜1:00~1:30)で、9月22日、29日の二週にわたってオンエアされる予定となっている。