お弁当箱からエスニックな香り レモンライス弁当

ターメリックで色づいた炊きたてごはんに炒めた材料を混ぜる。撮影:安部まゆみ
「レモンライス」は南インドのお米料理。エスニックな味はハードルが高そうと思いきや、材料さえそろえれば意外にお手軽! スパイシーな香りが食欲をそそり、ランチタイムが待ち遠しくなります。

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高いビルに囲まれた、東京・渋谷の坂の途中にあるわずか一坪の小さな店。テイクアウト専門、メニューは「レモンライス」のみながら、ランチタイムには行列ができるほど連日にぎわっています。
レモンライスは南インドの家庭料理ですが、オーナーであるミュージシャンの小宮山雄飛(こみやま・ゆうひ)さんが、日本流にアレンジ。インディカ米ではなく、日本のお米を使うなど、渋谷発のオリジナル・レモンライスとなっています。
「一坪という限られたスペースで作業するので、手順が大事です」と、調理・販売をひとりで担う、スタッフの南雲菜穂子(なぐも・なほこ)さん。
炊飯器に米、押し麦、水をセット。一緒に砂糖、ターメリック、ナムプラーを炊き込みます。
「ナムプラーはだしのような役割。ごはんにうまみがプラスされます」
ごはんを炊いている間に、熱した油でスパイス類を炒めるテンパリングの作業を開始。材料はインドのスパイス「ヒング」、おろししょうが、マスタードシード、ピーナッツ、インドの豆「ダル」。
「サラダ油を熱し、最初にヒングから炒めます。ナッツ類は焦げないように気をつけて、香ばしく炒めます」
火を止めて、レモンオイルを加え、炊きたてのごはんに混ぜれば完成です。
食べる直前に、そえられた輪切りのレモンを搾ることで、フレッシュな風味が口の中に広がります。他に副菜として、インドの漬物であるたまねぎの「アチャール」、大根のバジルピクルス、パクチー、辛味のチリソースがそえられています。また、別の容器に入ったチキンのカレーソースもセットになり、お店ではこれらを全部含めたものをレモンライスと呼んでいます。
ライスはそのまま食べてもよし、副菜と一緒に食べるもよし、ソースをかけてもよし……と、いろいろな食べ方ができます。ナッツ類の香ばしさ、ピリリと効いたスパイス、レモンの爽やかさがつくるおいしさのハーモニー。
新しい味との出逢いをお弁当づくりに生かし、バリエーションを広げましょう

■家でつくる たこ入りレモンライス

南インドの家庭料理、レモンライスをつくりやすくアレンジ。たこを加えてうまみもたっぷり。食べる直前にもレモンを搾って風味よく。ほどよい酸味のピクルスが好相性です。


※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHK伝統と革新!すぐ使えるお弁当大百科』より

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