「強烈な努力」を 藤澤一就八段から竹下凌矢初段へのエール

新入段した棋士を師匠が紹介する連載「師匠が見た!NEWフェイス」。今月号は、藤澤一就(ふじさわ・かずなり)八段が、竹下凌矢(たけした・りょうや)初段について語ります。

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竹下君が道場に来たのは小学校3年生の時。当時五子で打っていたので、アマ五段くらいだったでしょうか。とにかく石を取りにくるので、とても元気な碁だと思ったのを覚えています。
小さい頃はなかなか落ち着いて勉強に取り組めないけれども、スイッチが入ると人一倍集中できるタイプ。小学校6年生まで通いだったのですが、中学入学と同時に私が主宰する天豊道場の住み込みとなり、勉強に身が入るようなりました。それからは道場の先輩棋士達と対局を重ね、順調に力をつけていきました。
私の本心を言えば、中学生のうちに入段してもらいたかったですが、おそらく本人も同じ思いだったでしょう。中学卒業後のプロ試験に懸ける思いは強かったと思います。
夏季採用試験は7~9月の院生研修の総合順位1位だけが入段。竹下君は本命に近いと目されていましたが、7月は硬くなって2位。内容は悪くなかったので、自信を持たせたところ、力を出し切り、8、9月は1位で合格することができました。
真面目な勉強家なので、早く若手棋戦で優勝したり、NHK杯に出場できるようになってほしい。ただ、世界を目指すなら「強烈な努力」が必要。自分より強い棋士に追いつき追い越すために一層の精進を。
■『NHK囲碁講座』連載「師匠が見た!NEWフェイス」より2021年4月号より

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