酒かすの上手な使い方、ご存じですか?

さわらのかす漬け焼き 撮影:蛭子 真
京都の老舗料亭の3代目、村田吉弘(むらた・よしひろ)さんの連載「だしいらずでつくる和食のはなし」。第11回のテーマは「酒かす」です。

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酒かすは、うまみがしっかりあるので、たとえばかす汁は、だしを使わんでもおいしくつくれます。さらにビタミン、ミネラル、たんぱく質なども豊富なので、最近は、体にええ食品としても注目されているようです。
酒かすを使った料理で代表的なのは、魚のかす漬け焼きと、かす汁ではないでしょうか。今月は、この2つをおいしくつくるコツをご紹介したいと思います。
まず魚のかす漬け焼きですが、今回はさわらを使っていますが、さけやたらでもええです。
いちばん手に入りやすい酒かすは、板かすやないかと思います。昔はもっと水分の多い「ゆるい」酒かすが出回っていましたが、今はカチカチのタイプが多いかと思います。ですので、まずはたっぷりの酒でゆるめてあげてください。
さらに漬ける「床」には、多めの砂糖を合わせます。かす漬け焼きは、甘みをしっかり感じられるほうがおいしいので、砂糖はけちらんでください。
漬ける時間は1日、24時間くらいがええと思います。ご紹介した「漬け床」は、2回使えると思います。
もう一品のかす汁ですが、同じ関西でも京都では油揚げと野菜だけ、大阪では魚を入れるのが一般的でした。今回は、おかずにもなるように魚を入れたレシピにしました。
かす汁は、かすの効果でくせの強い魚でもうまいので、ぶりのカマを使いましたが、切り身でも、さけなど、ほかの魚でもええです。


かす汁は、かすだけではなくみそを少量入れるとおいしくなります。京都では、仕上げにねぎではなく、せりを加えます。コクのある汁に、せりの爽やかな香味が、ええコントラストになりますよ。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』2022年2月号より

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