石けんのような清潔感ある香り スイレンの魅力

香りがよい熱帯性の‘ディレクター G.T.ムーア’。
猛暑の最中にも、水面につややかな円い葉を広げ、端麗な花を次々に咲かせるスイレン。家庭で育てれば、花に顔を近づけて、清涼感のある香りを楽しめるのもスイレンの魅力の一つです。園芸研究家の若松康史(わかまつ・やすし)さんがスイレンの香りについて教えてくれました。

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10数年前、当時「みずの森」園長の城山豊先生に熱帯性の‘グリーン・スモーク’をいただいたことがきっかけでスイレンの栽培を始めました。コンテナで栽培して最初の花を咲かせたとき、花の美しさだけでなく、その香りに衝撃を受けました。幼少のころに訪れた京都府立植物園の温室内にたちこめていた香りと同じだったからです。そのとき、あの香りは熱帯性スイレンの香りであったと知りました。以前から「熱帯性スイレンの石けんのような清潔感のある香り」に興味があり、まさしくその表現どおりの香りでした。
香りの強弱や感じ方はかなり個人差があるようで、この点も興味深いです。例えば、耐寒性の黄色系品種は柑橘系の香りがするそうで、私も最近ようやく体感することができました。
スイレンの香りは、自分で育ててこその楽しみです。一花の開花期間は短いですが、お気に入りの香りのスイレンを切り花にして室内で楽しむこともできます。
■『NHK趣味の園芸』2019年8月号より

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