もやもやレビュー

友達選びの踏み絵に。『シックスセンス』

シックス・センス (字幕版)
『シックス・センス (字幕版)』
M.ナイト・シャマラン,キャスリーン・ケネディ,フランク・マーシャル,バリー・メンデル,ブルース・ウィリス,ハーレイ・ジョエル・オスメント,トニ・コレット,オリビア・ウィリアムズ,トレヴァー・モーガン
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大学生の頃、キャンパスで友人と話していて映画を観に行こうということになった。薄い関係の友人だった。何でもよかった。適当に選んだのは、その当時流行っていた『シックスセンス』(1999年)だった。

ブルース・ウィリス演じるマルコムは、小児精神科医。名医と言われ、数々の子供たちを精神的に救ってきた。ある日、天才子役と言われたオスメントくん演じるコールと出会う。コールは深い悩みを抱えており、マルコムはコールを救いたいと寄り添う。献身の甲斐あってコールは心を開き、コールは悩みを打ち明ける。その悩みとは「幽霊が見えてしまう」というものであった...。

めちゃくちゃヒットした映画なのでみなさんご存知だと思うが、この映画には最後に大どんでん返しがある。僕らは映画館を出た。

僕「いやー最後すごかったね」
友人「え、最後なんかあった?」

なんと友人は最後の大どんでん返しに気付いてなかったのだ。僕はそいつと付き合うのやめようと思った。

それから十数年。Facebookに、そいつから友達申請があった。最初拒否しようと思ったが、なんとなく許可してしまった。それが地獄のはじまりだった。最終的に泥沼裁判にまで発展し、実は僕が今幽霊なのでは?と思うこともあった。友達選びは慎重に。

(文/神田桂一)

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