ザビエルはインスタグラマー、明智光秀は知恵袋に相談!? クスリとしながら学べる歴史本

インスタ映えする戦国時代
『インスタ映えする戦国時代』
スエヒロ
大和書房
1,080円(税込)
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 とつぜん突拍子もない話をしますが、もしも戦国時代にスマホがあったなら、あの武将やあの歴史的事件はいったいどんなふうになっていたでしょうか?

 織田信長はLINEのグループトークを使って「桶狭間の戦い」を逆転勝利へ!? 武田信玄は上杉謙信から送られた塩のAmazonレビューを書く!? 「本能寺の変」を前に明智光秀はYahoo!知恵袋で相談する!? ......なーんてことも、もしかしたらあったりして。

 そんなユニークな視点から激動の戦国時代を一冊にまとめたのが本書『インスタ映えする戦国時代』です。著者は、日本史に登場する偉人やできごとを「現代の身近なもの」に置き換える歴史パロディ画像が人気を呼び、ツイッターでのフォロワー数が10万人を超えるというスエヒロさん。思わずクスリと笑ってしまう彼のパロディ画像は、皆さんもツイッターで一度は目にしたことがあるかもしれません。

 ここで本書の中身をいくつかご紹介しましょう。たとえば、宣教師フランシスコ・ザビエルのインスタ。もうこのワードを耳にしただけでも「どんな写真アップしてるの?」「ハッシュタグは!?」と興味津々になってしまいますが、投稿している写真は歴史の教科書にもよく出てくる自画像。それとともに「先日から日本に布教にきてます! 薩摩のほうにいるのですがめっちゃ暑い! 早く京に行きたい~」との自身の書き込みが。そして「#布教中」「#イエズス会」「#キリスト教広めたい!」といったハッシュタグがつけられています。はるか昔の歴史上の人物でしかなかったザビエルに、なんだかめちゃくちゃ親近感がわいてきた......!

 もうひとつ。明智光秀が参加者同士で作るQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に投稿したのは「【相談】上司の武将が横暴で悩んでいます...これはパワハラでしょうか?」という質問。本能寺の変の原因として「主君である織田信長に虐げられていたから」という説もありますが、現代に置き換えてみるとたしかに今で言うところの"パワハラ"にあたるかもしれません。そう考えると、これまた身近な問題に感じられてきますね。そして本書は細部まで凝っているところも特長。このネタであれば、「ベストアンサーに選ばれた回答」として「owari_monkey」さんの回答を掲載しているのですが、「たとえば、雪の日に上司のぞうりを懐で温めてみたりするとか、まずは『小さな信頼』を得るところから始めてみてはいかがでしょうか」とアドバイスしています。この名前、回答内容......これはまさしくあの歴史上の人物。歴史好きな人であればニヤリとしちゃいそうです。

 本書について「戦国時代の出来事を身のまわりに置き換えて想像してみると、当時の人々や出来事、空気をよりリアルに感じることができるような気がしますし、それによって遠い時代の出来事をより鮮明に再体験できるような気がします」とスエヒロさん。これまでにない、今の時代ならではのニュータイプの歴史本と言えるのではないでしょうか。おふざけが多分に含まれているとはいえ、並びが史実順になっていて大きな流れをつかむことができたり、解説やコラムも併記されていたりするので、歴史を楽しみながら勉強したい学生の皆さんにもおすすめです。

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