【速報】「本屋大賞2025」は、阿部暁子『カフネ』に決定!

カフネ
『カフネ』
阿部 暁子
講談社
1,870円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 本日2025年4月9日(水)、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2025」が発表され、阿部暁子(あべ・あきこ)さんの『カフネ』(講談社)が大賞に輝きました。

 同書は、法務局に勤める野宮薫子が主人公の物語。溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた薫子は、弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会うことになり、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことになります。弟を亡くした薫子と弟の元恋人であるせつなの二人の距離は、食べることを通じて次第に縮まっていくというストーリーです。

 受賞した阿部さんは、1985年生まれ、岩手県出身花巻市在住の小説家です。2008年に『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは『いつまでも』)で第17回ロマン大賞を受賞し、コバルト文庫からデビューしました。著書に『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『パラ・スター〈Side 百花〉』『パラ・スター〈Side 宝良〉』『金環日蝕』『カラフル』などがあり、同書『カフネ』で第8回未来屋小説大賞、第1回「あの本、読みました?」大賞、そして2025年本屋大賞を受賞しました。

 授賞式に登場した阿部さんは、以下のようにコメントしました。

IMG_1459.jpeg
「入学したばかりの大学の小さな生協で、『全国の書店員が選んだ、一番読んでほしい本です』という言葉に惹かれて本を買いました。その本を読んだあと、こんな物語を死ぬまでに書きたいと強く思いました。あれから長い時間が経ち、自分が今この場に立たせていただいていることを光栄に思います。『カフネ』は私一人の力ではなく、担当してくれた編集者や営業の方が私の知らないところで尽力してくれた本です。本屋大賞は書き手にとって憧れでうれしい賞です」

 本屋大賞は、出版業界活性化のため、全国の書店員が年に一回、「面白かった」「お客さまにも薦めたい」「自分の店で売りたい」と感じた本を投票で選ぶ文学賞。第22回目となる今回は「2023年12月1日~2024年11月30日に刊行された日本のオリジナル小説」が対象です。発表の様子はYouTubeでライブ配信もされました。

本屋大賞公式サイト
https://www.hontai.or.jp/

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム