【「本屋大賞2025」候補作紹介】『成瀬は信じた道をいく』――滋賀が生んだ最強ヒロインが帰って来た! ファン待望のシリーズ2作目
- 『成瀬は信じた道をいく』
- 宮島 未奈
- 新潮社
- 1,760円(税込)
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BOOKSTANDがお届けする「本屋大賞2025」ノミネート全10作の紹介。今回取り上げるのは、宮島未奈(みやじま・みな)著『成瀬は信じた道をいく』です。
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昨年、文学界に一大旋風を巻き起こした、あの成瀬あかりが帰って来ました! 「本屋大賞2024」にて大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』に続き、このたび2025年の本屋大賞にもノミネートされたのが、シリーズ2作目となる『成瀬は信じた道をいく』です。滋賀県大津市が生んだ唯一無二のヒロイン・成瀬あかりにふたたび会えるとして、ファンは大喜びです。
1作目では成瀬の中学から高校時代にかけての出来事が描かれましたが、2作目で成瀬は大学生に。頭脳明晰な成瀬は難なく京都大学に合格し、大学生活のかたわら、地元エリアをパトロールしたり、スーパー「平和堂フレンドマート」大津打出浜店でアルバイトを始めたりと、あいかわらず充実した日々を過ごしていることがわかります。
なかでもビッグニュースとなるのが、「びわ湖大津観光大使」に選ばれたことでしょう。ペアを組むのは、祖母と母に続き、親子3代連続で観光大使に選ばれた篠原かれん。彼女から見た成瀬の印象は「想像以上にやばい奴」(同書より)でした。なんと言ったって今どきスマホを持っていないうえに、観光大使に応募した理由を聞かれて「わたし以上の適任者はいないと思ったからだ」「わたしはびわ湖大津を世界に発信していくつもりだ」(同書より)なんて大真面目に答えちゃうのだから。しかし一緒に活動していくうちに、成瀬のとことん我が道を突き進む姿に心を動かされていくかれん。かれんとともに読者もまた、成瀬のさらなる魅力に引き込まれるのではないでしょうか。
1作目同様、2作目でも輝いているのが、何にでも好奇心を持ってパワフルに行動する成瀬の姿です。かれんのほかにも同書では、成瀬ファンを自称する小学生・北川みらい、成瀬がアルバイトしているスーパーの常連クレーマー(?)・呉間言実、京大を受験するYouTuber・城山友樹など、さまざまな人物が語り手となり、成瀬のインパクトに圧倒されつつも何かしらの刺激を受けていく様子が描かれます。それは読者も同じで、成瀬のように自分からやりたいことを探せば、平凡な毎日の中にいくらでも楽しみは見つけられるのだと気づかされるはず。
幼なじみの島崎みゆきと組んだ漫才コンビ「ゼゼカラ」の「膳所から世界へ!」というキャッチコピーも夢じゃない!? ますますパワーアップした成瀬あかりの無双ぶりをぜひ皆さんも同書で見届けてみてください。
[文・鷺ノ宮やよい]