あの独裁者も◯◯中毒だった!? ヒトラー、ケネディ...国家のトップたちのカルテとは

主治医だけが知る権力者: 病、ストレス、薬物依存と権力の闇
『主治医だけが知る権力者: 病、ストレス、薬物依存と権力の闇』
タニア・クラスニアンスキ,川口明百美,河野彩
原書房
2,640円(税込)
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 当時"戦犯"とされた人物を父親に持った子どもたちのその後の人生をたどった前著『ナチの子どもたち: 第三帝国指導者の父のもとに生まれて』(原書房)でデビューした、作家タニア・クラスニアンスキ。

 2作目となる『主治医だけが知る権力者: 病、ストレス、薬物依存と権力の闇』で取り上げるのは、ヒトラー、スターリン、毛沢東など8人の為政者と、それぞれの主治医たち。驚くべきことに、同書によれば、彼らの中には薬物依存状態、いわば"薬漬け"だった人物が少なくないと言います。

 たとえば、独裁者アドルフ・ヒトラーの場合。同書によれば、ヒトラーが頼り切りだった主治医のテオドール・モレルは、「帝国注射マイスター」「メフィスト」「死の商人」(同書より)との異名をとった人物。ヒトラーはモレルから精神安定剤はもとより、コカイン・モルヒネなどの薬物のほか、鬱症状を改善させるために、なんと「雄牛のホルモン」まで注射されていたこともあったのだとか。

 実は、ヒトラー同様に"薬漬け"だったのが、かのジョン・F・ケネディ大統領。その当時、健康状態が悪化していたケネディ大統領は、主治医マックス・ジェイコブソンから長期にわたってコカイン、ホルモン剤を投与されていました。ファーストレディのジャクリーン・ケネディともども、覚醒剤のアンフェタミン過剰摂取による依存状態に陥っていたと本書には書かれています。

 国家元首と主治医との関係性を主軸に据え、従来の伝記や評伝とは一線を画して、丹念に歴史を振り返った同書。日々強いストレスにさらされていた最高権力者たちのカルテという視点から捉え直すと、彼らへの印象もまた違ったものになりそうです。

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