台本? 演技? プロレスに関する素朴な疑問あれこれ

藤波辰爾自伝 未完のレジェンド
『藤波辰爾自伝 未完のレジェンド』
藤波 辰爾
草思社
1,728円(税込)
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 "燃える闘魂"アントニオ猪木・IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)会長が1月26日、長らく低迷する韓国プロレス界の復興をサポートするプランを明かしました。韓国ではK-1が人気だったため、知名度の高いジェロム・レ・バンナやピーター・アーツを擁するIGFの強みを生かして、新団体の旗揚げを支援する方針のようです。

 そんなアントニオ猪木さんに憧れ、彼の付き人からプロレス人生をスタートさせたのが藤波辰爾さん。藤波さんは、1970年に日本プロレスに入門し、翌年にデビュー。その後、アントニオ猪木さんの新日本プロレス旗揚げに参加。得意技ドラゴン・スープレックスなど"ドラゴン殺法"が話題となり「ドラゴンブーム」を巻き起こし、新日本プロレスの社長に就任するなど、業界を牽引し続けてきた名レスラーです。

 しかし、その裏には、本気で自殺を考えたケガのリハビリ期間、総合格闘技ブームや相次ぐ主力選手の退団など、さまざまな逆風にさらされ「操り社長」と揶揄された時代など、プロレスラーとして、団体のトップとして味わってきた苦悩や挫折の日々を、自叙伝『藤波辰爾自伝 未完のレジェンド』で生々しく語っています。そのなかで、素人にありがちな、プロレスに対するこんな疑問に対しても答えています。

■プロレスって演技?

 「しばしば『プロレスはショーだ』と批判を受ける。ショー的な要素は確かにある。けれども、誤解しないでほしいのは、僕らは『痛くもないのに痛いふりをしている』わけでは決してないということだ」(藤波さん)

――藤波さんは若い頃、よくアントニオ猪木さんに「お前たち、痛いときは痛い顔をするだろう。足を踏まれて痛かったら、自分の足を押さえるだろう。どうして、それがリング上でできないんだ?」と、怒られたそうです。だからこそプロレスラーは、自らの肉体を使って喜怒哀楽を表現するのだとか。

■プロレスって台本があるんでしょ?

 「プロレスには台本があって『二十分過ぎにはこの技をやって、三十分が過ぎたら、この技をやると決めているんでしょう?』と聞かれたことがある。でも、この試合(アントニオ猪木さんとの60分フルタイム戦)を見てもらえばわかるように、一流レスラー同士の闘いは完全なアドリブの世界だ」(藤波さん)

――プロレスは選手同士がお互いの技を受けながら強さを表現するものなので、互いの信頼関係がとても大事だといいます。そして藤波さんはプロレスをこんな風に例えました。

 「プロレスとは心身ともに鍛え上げられた格闘家同士が、まるでダンスを踊るかのごとく互いの呼吸を合わせて動いていくスポーツだ」

 型破りな展開、次々と繰り出される華麗な技の数々。戦後の日本人を熱狂させ、東京ドームに7万人もの観客を集めた時代もあるプロレス。もしかしたら私たちは今、元気のない現代に、ドロップキックをかましてくれるようなプロレスブームの再来を待ち望んでいるのかもしれません。

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