連載
杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス

第5回 アイアンマン、最後の戦い? 『アイアンマン3』

『アイアンマン3』日本版ポスター</br>© 2012 MVLFFLLC. TM & (C) 2012 Marvel. All Rights Reserved.
『アイアンマン3』日本版ポスター
© 2012 MVLFFLLC. TM & (C) 2012 Marvel. All Rights Reserved.

『アイアンマン3』の日本版ポスターと予告編がリリースされ、日本のみならず海外のギーク(オタク)の間でも話題になっています。というのも海外版=本国アメリカ版には、「ない」重大な要素が入っているからです。

それは「さらば、アイアンマン。」というコピー。この「3」を最終作として打ち出しているのは、日本だけ。本当に最後なのか......。

確かに、昨今のアメコミ映画およびシリーズものは、三部作=トリロジーというパターンが多く、それはクリストファー・ノーラン版バットマン=ダークナイトもそうだし、スター・ウォーズも3作ごとに区切っています。だから、アイアンマンも「3」で"完結"してもおかしくない。
ただ、この"完結"という意味は、もうアイアンマンの映画が作られない、という意味ではなくて、主人公トニー・スタークをロバート・ダウニィーJrが演じる、アイアンマン・サーガが終わる、ということだと思うのです。

それは、やっぱりこの『アイアンマン』シリーズが、ドラマとして優秀で、毎回戦う敵が異なるだけの、単なる対決ものになっていないということでもあります。やはり素晴らしい物語であるからこそ、キチンと完結した方がいいのでしょう。

でもハリウッドは、同時にリブート(再起動)という手法も持っていて、三部作で終結させた後、設定・キャスト・監督等を一新して、また新たに始める......X-MENやスパイダーマンがそのパターンです。従って数年したら、新キャストによるアイアンマンが始まる可能性は大です。

もちろんダウニィーJrがハマリ役だっただけに(彼のおかげで『アイアンマン』は成功し、『アイアンマン』の成功なくして『アベンジャーズ』はないので、『アベンジャーズ』が観られるのはダウニィーJrのおかげです!)そこは寂しいわけですが、考えてみれば 少なくとも自分が子どもだったころ、007役が変わってもさほど気にしなかったし、キャラクターは生き続けるわけです。

子ども=これからのマーベル映画ファンにとって、誰が演じるかよりキャラクターの方が大事なわけですね。また、これはアメコミ自体が、時代ごとにクリエーターを変えて、その時その時の空気を反映させてきたわけですから、映画もその手法を使ってもおかしくない。


ただ、ここれは、あくまでも僕の推測なので、まだダウニィーJrのアイアンマンがこれで見納めと決まったわけではないし、『アベンジャーズ2』に登場するであろうアイアンマンはダウニィーJrだろうし、2014年夏公開のマーベル印のSF宇宙活劇『ガーディアンズ オブ ザ・ギャラクシー』にダウニィーJrのアイアンマンがカメオ出演との噂もあります。原作コミックの『ガーディアンズ オブ ザ・ギャラクシー』の方では宇宙用アーマーを装着したアイアンマンが、このメンバーに加わったようなので。

さて、もう一つ、日本版予告編で特徴的なのは『アベンジャーズ』の戦いから1年と言っているところです。

アメリカにおいては「あのアイアンマンがアベンジャーズに登場!」だったわけですが、日本ではいまや「あのアベンジャーズのアイアンマン」なわけで、やはり『アベンジャーズ』の大ヒットは、本当に、これからのマーベル・ヒーローたちのショウケースになったようです。
ヒーロー勢ぞろいの『アベンジャーズ』に対し、アイアンマン単品は地味?と心配するファンもいますが、プロデューサーのケヴィン・ファイギ氏も強調していたように、『アベンジャーズ』の後の第1弾だから、『アベンジャーズ』より派手ですごい映画にすると明言していました。

それを裏付けるのは、今度のアイアンマンのアーマーは、マーク47! 『アベンジャーズ』のときのアーマーが、マーク7ですから、なんと40体のまだ見ぬアーマーがあることになる。これらが、なんらかの形ですべて出てくる可能性もある。

また、原作コミックでは人気の宿敵マンダリン(ベン・キングスレーが演じます)、エクストリミス・アーマー(トニーの意志で自動装着されるアーマー)、アイアン・パトリオット(原作コミックの設定とは若干ちがいますが、星条旗カラリング=キャプテン・アメリカ イメージの絵的に派手なアーマー)等面白くなりそうな要素がいっぱいです。

『アイアンマン2』もサービステンコ盛りでしたが、あれはどちらかというと『アベンジャーズ』につながる部分のサービスが強かったので、今度はあくまでアイアンマンにフォーカスしているわけで、ドラマとしての密度も濃そう。

また日本の予告編は、今まで以上にグウィネス・パルトロウ演じるペッパーポッツとの関係が強調されています。「3」では、ペッパーポッツもアーマーを着る、との噂もあり! これも期待が膨らみます。

日本はGW=4月26日に、アメリカより早く『アイアンマン3』が公開! 夏には新スーパーマン映画「マン オブ スティール(「鋼鉄の男」という意味......スーパーマンを称えるコトバの一つ)」が公開されるわけで、"鉄の男"たちが連続して世界をにぎわせてくれますね!

なお『アベンジャーズ』、12月19日(水)に日本でもいよいよブルーレイ&DVDリリースです。


【すぴより緊急告知】

①12月27日(木) 東京・新宿ロフトプラスワンでアメコミのトークショー「アメコミNIGHT忘年会」開催!
出演いたします!

②12月25日(火)発売のデジモノステーション さん2月号の「アベンジャーズ」特集、僕が担当しました。よかったらご覧ください。

« 前の記事「杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス」記事一覧次の記事 »

杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書きで、アメコミ・ヒーロー映画やSF、モンスター映画についての伝道活動を、雑誌、TV、WEB等で展開。 映画「アメイジング・スパイダーマン」「アベンジャーズ」の劇場パンフレットにも寄稿しています。映画「サラリーマンNEO劇場版(笑)」にCMクリエーター役でなぜか出演。 AOL等でもコラム展開中。
また人気と評判の(笑)ブログはこちら http://supi.wablog.com/

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム