第3回 『アイアンマン3』は、『アベンジャーズ』を超える超大作?
- SDCC会場でのマーベル・ブース・・歴代アーマーが集合
日本でもようやく公開された『アベンジャーズ』! 今年封切られた洋画の中では最大級のヒットとなりそうで、日本におけるアメコミ映画の可能性を大きく変える成功事例となりそうです。
実際映画館に行ってみると、カップルや女の子同士やファミリーも多く、劇場ロビーでおしゃれな女の子が「ハルク、強すぎー」と会話していたり、男の子が売店でアイアンマン・グッズをねだったりと、幅広く人気を集めているようです。
考えてみれば「アベンジャーズ」、全米でも全世界でも『アバター』『タイタニック』に次ぐ歴代3位であり、前の2作が映画オリジナルなわけだから、アメコミが原作の『アベンジャーズ』は"出版文化発で最も成功した映画"ということになります。全世界では『アベンジャーズ』の前に、"出版文化発 "で成功した映画は『ハリー・ポッター』と『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』でした。
さて『アベンジャーズ』は、今までのヒーロー映画の集大成的意味合いがあり、そういう意味で、これがブームの頂点だから、あとは下火になるのでは? というのが、このジャンルのファンとしては一番気になるところなわけですが、僕自身、その不安は今年のサンディエゴ・コミコン(SDCC)で上映された『アイアンマン3』のフッテージ(映像)で、かなり解消されました。
『アイアンマン2』以降のマーベル映画は、もちろん、どの作品も独立した映画としての完成度は高かったのですが、やはり『アベンジャーズ』というイベントへの序章としての側面も強かった。要は"さらなる活躍は『アベンジャーズ』に期待してね!"
しかし『アイアンマン3』は、その"『アベンジャーズ』に続く"的束縛から解放されて、あくまでもアイアンマンの映画としての魅力を、とことんまで追求しようとしている姿勢を感じました。
今回SDCCでお披露目になったフッテージでは、主人公トニーが、新しいアイアンマン・スーツの装着実験をしているシーン。遠隔操作で、アイアンマン・スーツのパーツが、
次々と彼のところに飛んできて、自動装着されるというもの。原作コミックをかじったことのある方なら、もうおわかりかと思いますが<エクストリミス・アーマー>です!
それで、このテストがなかなかうまくいかず四苦八苦する、というコミカルなものです。
これは『アイアンマン』1作目のテイストに、すごくちかい。というのも『アイアンマン』が傑作たる理由の一つは、トニーが失敗をくりかえしながら、アイアンマン・スーツを作り上げていく、あのプロセスの楽しさでした。
そう「3」は、「1」がもっていたキュートさを踏襲しているわけです。
そのあとのフッテージは、トニーたちがすごいピンチに巻き込まれる、ド迫力スペクタクル・シーン! ここは、アクション映画としてのスケールを感じさせ、決して『アイアンマン3』が、派手派手『アベンジャーズ』に見劣りするものではない、ということを印象付けてくれました。
原点帰りにして『アベジャーズ』越え、SDCCで上映されたフッテージは、そういう強い意志表示だったわけです。
さて先日、『アベンジャーズ』のPRで来日した、マーベル・スタジオのCEOで一連のマーベル映画のプロデューサー ケヴィン・ファイギ氏にインタビューする機会があったのですが、ケヴィン氏も、『アイアンマン3』は、ポスト『アベンジャーズ』の第一弾という意味で重要であり、『アベンジャーズ』を凌ぐ作品にしたい、と明言していました。
そういう意味で、『アイアンマン3』の出来ばえが、マーベル映画、アメコミ映画のこれからを占うといっても過言ではないと思います。
日本では『アベンジャーズ』のエンド・クレジット&お楽しみシーン終了後に、『アイアンマン3 来年GW公開』と大きく表示が出ます!
この『アベンジャーズ』の大ヒットの余波をうけ、『アイアンマン3』もヒットして欲しい!
それにしても、来年は『アイアンマン3』と新スーパーマン映画『マン・オブ・スティール』がぶつかります。どちらも"鉄の男"(笑)! 熱い戦いになりそうです!
※写真はすべて筆者(杉山すぴ豊)が、2012年のサンディエゴ・コミコン会場で撮影したもの。