第2回 サンディエゴ・コミコンで高らかに宣言されたマーベル映画第2フェイズ!
- この会場で発表された『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』のロゴ
ポスト『アベンジャーズ』の本命は、宇宙狸?
前回に引き続き、米サンディエゴ・コミコン(SDCC)のレポートです。
今回、最も人気があったパネル(プレゼンテーション)の一つがマーベル・スタジオによる『アイアンマン3』でした。
しかし、実際は『アイアンマン3』だけではなく、これからのマーベル映画全般についての発表だったのです!
ここでマーベルについて、大雑把にご説明しますと、そもそもマーベルとはスパイダーマン、X-MEN、アイアンマン等の人気ヒーローを多数抱えるコミック出版社です。そして、X-MENの映画化権を20世紀フォックス、スパイダーマンの映画化権をソニー ピクチャーズに渡して大成功を収めたわけです。
そして、これらに並行して、マーベル自身が、自社のヒーロー・コンテンツを映画化していこうと、マーベル・スタジオという映画部門を立ち上げました。
その第1弾が08年の『アイアンマン』。
これが大成功をおさめ08年の『インクレディブル・ハルク』10年の『アイアンマン2』11年の『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト アベンジャー』と立て続けにヒーロー映画を量産していくわけです。そして12年にこれらの映画の集大成として今までのヒーローが共演する『アベンジャーズ』が製作され、映画史に残るメガ・ヒットになるわけです。
マーベルは、08年の『アイアンマン』から12年の『アベンジャーズ』までを、マーベル映画戦略のフェイズ1と位置づけているようです。今回のSDCCのパネルでも、まずこれらの映画を振り返る映像が流れ、『アベンジャーズ』の大ヒットを感謝するメッセージと、マーベル映画は、いよいよフェイズ2(次のステージへ)との強い表明がなされました! 会場大興奮の中、マーベル映画のキーマン ケヴィン・ファイギが登壇し、これからのマーベル映画のラインナップについて発表しました!
①2013年 5月3日『アイアンマン3』
②2013年 11月8日『ソー:ザ ダークワールド』
③2014年 4月4日『キャプテン・アメリカ:ザ ウィンター・ソルジャー』
④2014年 8月1日『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』
①②③は『アベンジャーズ』の中でも、中核をなすビッグ3!
彼らをソロ映画でデビュー→『アベンジャーズ』共演→再びソロ映画展開というわけです。
特に②については、原作コミックの中でも、人気の高い"ウィンター・ソルジャー"というエピソードがベースになると発表されて、会場は大興奮でした。
これは死んだと思われていたキャプテン・アメリカの親友にして相棒が実は生きていて、ロシアの超人暗殺者として、彼の前に立ちはだかる、、というドラマチックな話です。
さらに会場が沸いたのは④『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』(銀河の守護神たち)これは、マーベルにしては珍しいスペース・オペラ(宇宙活劇)で、地球ではなく宇宙を舞台に、エイリアン・ヒーローたちが、銀河の邪悪と戦います! ここで人気が出そうなのが、ロケット・ラクーンというキャラ! 狸に似たエイリアンですが、歴戦の勇士!
実は『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』のタイトル発表の前に、ケヴィン・ファイギが、次はこいつだよ! といきなりロケット・ラクーンのビジュアルを見せたわけです。恐らくこのキャラが、映画をひっぱっていくわけです。
マーベルの数あるヒーローの中では、決してメジャーではないのですが、実は、昨年リリースされたカプコンさんのゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』(マーベルの選抜キャラとカプコンの選抜キャラを戦わせることの出来る名格闘ゲーム)に、マーベル側の"押しキャラ"として、ロケット・ラクーンが登場していました。今思うと、恐らく映画化を見越しての大抜擢だったのでしょう。
確かにマーベルは『アベンジャーズ』でもエイリアン軍団を登場させ、次は『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』ですから、"宇宙もの"について積極的です。これはなぜか?実はこのマーケットは、現状『スター・ウォーズ』のフランチャイズが止まっており、J・J・エイブラムスの『スター・トレック』ぐらいしか、強力なコンテンツはないのです。
だから"狙い目"とも言えるわけです。
繰り返しになりますが『ガーディアンズ オブ ザ ギャラクシー』自体は、コミック自体はそんなに有名ではないけれど、映画ビジネスにおいては"あの『アベンジャーズ』のマーベル・スタジオが放つ大宇宙活劇!"と打ち出せるわけです。
『アベンジャーズ』の大ヒットは、マーベルのこれからのビジネスに、本当に大きな追い風を起こしました。
(次回は『アイアンマン3』そしてSDCCでその存在が明らかになった『アントマン』についてレポートします)
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