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アン・ハサウェイが魅せる、狂気と疑念のサイコスリラー『隣人たち』

『隣人たち』 7月24日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開

『プラダを着た悪魔2』はもうチェックしましたか? 実は、アン・ハサウェイの勢いはそれだけにとどまりません! 今回ご紹介する『隣人たち』のほか、『オークストリートの真実』『オデュッセイア』『ヴィリティ/真実』など、今年だけでなんと5本の劇場公開作が控えています。さらにプライベートでは第3子の妊娠を公表したばかりと、公私ともに大きな注目を集めています。

本作は、ベルギーのアカデミー賞と称される「マグリット賞」で史上最多9部門に輝いた、オリビエ・マッセ=ドゥパス監督の『母親たち』(18)のリメイク作品。ベルギー映画界の歴史を塗り替えた珠玉の心理サスペンスが、ハリウッドからの熱烈なラブコールによって舞台をアメリカの郊外へと移し、スタイリッシュで、どこか不気味な作品へと昇華を遂げました。

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郊外の住宅地で隣同士に暮らす、親友の主婦・セリーヌとアリス。同い年の一人息子を持ち、家族ぐるみで幸せな日々を送っていた二人でしたが、ある悲惨な事故をきっかけに、その関係は一変します。互いの言動に不信感を抱き、激しく揺れ動く二人。いったい、どちらが嘘をついているのか――? 物語はやがて、予想を裏切る衝撃のラストへと暴走していきます。

主演の主婦二人を演じるのは、アン・ハサウェイとジェシカ・チャステイン。『インターステラー』(14)、『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』(22)に続き、今回が3度目の共演となります。プライベートでも親交が深いという二人ですが、「現実の友人関係にヒビが入らないか」とこちらが心配になってしまうほど、劇中では互いを疑い、精神的に追い詰められていきます。非日常的で極端なシチュエーションでありながら、観客に強烈なリアリティを抱かせるのは、やはりこの実力派二人の圧倒的な演技力があってこそでしょう。

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本作を観て深く考えさせられたのは、現代における「隣人」や「人間関係」の希薄さです。ご近所付き合いが減り、子供たちが互いの家を行き来する機会も少なくなった現代。SNSの普及や連絡手段の進化によって便利になった反面、「いつ、誰に、何を言われるかわからない恐怖」や、「自分の善意がどう受け止められているか分からない不安」に、私たちは常に晒されています。

本作は1960年代という携帯電話すらない時代を舞台にしながらも、そうした「他人の心が見えない恐怖」に怯える現代人の生きづらさや心理を、見事にリンクさせています。

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「子供を通じて繋がったママ友」という関係性が持つ、どこかいびつな脆さ。一つの大きな事件をきっかけに、日常に生じた小さな亀裂が、一目では気づかないほどゆっくりと、しかし確実に形を変えていく――。その過程に、終始ぞわぞわとした鳥肌が止まりませんでした。

ホラーとはまた一味違う、狂気と疑念、そして妄想が渦巻く衝撃のサイコスリラーです。
ぜひ劇場で、この緊迫感を体感してください。

(文/杉本結)

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『隣人たち』
7月24日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開

監督・撮影監督:ブノワ・ドゥローム
出演:ジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ジョシュ・チャールズ
配給:ギャガ

2024/アメリカ・ベルギー・フランス・イギリス/94分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/rinjin/
予告編:https://youtu.be/po6bCAZLA2I
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