もやもやレビュー

『大脱出』筋肉と知恵で、涙ぐましいブリズン・ブレイク

大脱出 (字幕版)
『大脱出 (字幕版)』
ミカエル・ハフストローム,Sylvester Stallone,Arnold Schwarzenegger,Jim Caviezel
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シルベスタ・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが同じ画面にいる。それだけで血湧き肉躍るじゃないか。なんていったって絵面の強度がすごい。バキバキ。ただ同時に、それだけじゃないことにも気づく。

舞台は、"墓場"と呼ばれる完全無欠の超高セキュリティ刑務所。スタローン演じるプロの脱獄屋ブレスリンは、どんな刑務所でも抜け出せるはずだったのに、ここでは裏切りにあって囚われの身になっている。自分を罠にかけた奴らの陰謀を暴くために脱出計画を練り始めるのだが、そこに立ちはだかるのが、囚人たちのボス、ロットマイヤー(シュワルツェネッガー)。さぁ、このふたり、手を取り合うのか、やり合うのか......。ここまでの説明だけでもニヤニヤしてしまうのではないだろうか。

観ていて面白かったのは、これが単なる筋肉アクションじゃなくて、監獄の設計図を読み解く"知恵勝負"になっているところ。一度入ったら二度と出て来られないという難攻不落な監獄から、一体どうやったら脱出できるというのか。筋肉マンたちの殴り合いや追跡シーンもあるけど、力任せだけじゃクリアはできない。監視カメラの死角を探したり、扉の構造を記憶したりと、頭脳戦の緊張感が、思った以上にワクワクする。

脱獄映画のクラシック『大脱走』と比べてみると、面白さがさらに見えてくる。あの戦争映画の脱走劇は、仲間と笑いながら自由を取りに行く話。『大脱出』は、監獄も敵も現代的で、孤独の中で信頼と戦略を試される。ちなみに五年後を描いた『大脱出2』もあるのだが、そちらはスタローンの単体主演。このコンビを楽しめるのは今作だけとなっているので、どうぞお見逃しなく。

(文/峰典子)

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