もやもやレビュー

SXSW観客賞を受賞!怖くて笑える異色POVホラー『デッドストリーム』

デッドストリーム
『デッドストリーム』
ヴァネッサ・ウィンター,ジョゼフ・ウィンター,ヴァネッサ・ウィンター,ジョゼフ・ウィンター,ジョゼフ・ウィンター
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

POV形式で、いわくつきの廃墟に足を踏み入れ、その様子を配信/撮影する......というホラー作品はこれまで、韓国の『コンジアム』、カナダの『グレイヴ・エンカウンターズ』、ドイツの『ハイルシュテッテン 呪われた廃病院』など、いろんな国で作られてきました。このように比較的低予算ながら人気を博してきたジャンルに、アメリカ人夫婦が挑んだのが本作『デッドストリーム』。監督・脚本・製作・編集をヴァネッサ&ジョセフ・ウィンター夫妻が手がけており、2人にとってはこれが長編デビュー作となります。本作は、炎上しまくりの配信者が名誉挽回のため廃墟でライブ配信を決行するというストーリーで、多くのカメラや機材を駆使し、視覚的にスリル満点な一本に仕上がっています。

主人公は過激すぎる内容で人気を集めていた配信者のショーン。スポンサーから見放され、アカウントも停止されていた彼は、半年の期間を経て復帰。名誉挽回としてある廃墟でのライブ配信を決行します。かつて複数の死者を出し"アメリカで最も幽霊の出る家"に、みずから鍵をかけて一泊滞在することに。配信を盛り上げるため、挑発的な行動や過激な言動を繰り返すショーン。しかしその過程で、彼は"何か"を目覚めさせてしまい......。

本作は、毎年3月にテキサス州で開催されるSXSW映画祭のミッドナイター部門で公式オープニング作品として上映され、見事観客賞を受賞。監督でもあるジョセフ・ウィンター自身が主人公ショーンを演じており、その姿はまるで『ジャッカス』のような、痛々しくも笑ってしまう馬鹿馬鹿しさに満ちています。本格的に「怖い」ホラーというよりは、ドタバタ感とブラックユーモアに富んだ"ホラー・コメディ"。思わずクスッと笑ってしまうような演出が、恐怖とうまい具合に融合された興味深い一本でした。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOK STANDプレミアム