野心と権力の追求は悪魔にとって好都合?『ディアボロス 悪魔の扉』

- 『ディアボロス/悪魔の扉(字幕版)』
- テイラー・ハックフォード,アーノン・ミルチャン,アーノルド・コペルソン,アン・コペルソン,キアヌ・リーブス,アル・パチーノ

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アル・パチーノ、キアヌ・リーブス、シャーリーズ・セロンなど豪華俳優たちが共演した1997年の映画『ディアボロス 悪魔の扉』。ニューヨークを舞台に、若く有能な弁護士と悪魔の関係を描いた興味深いオカルト作品です。
フロリダの若手敏腕弁護士のケヴィン(キアヌ・リーブス)は、難事件で勝利を収めた実績から、ニューヨークの一流法律事務所ミルトン・チャドウィック・ウォーターズに引き抜かれます。この事務所を経営するのはジョン・ミルトン(アル・パチーノ)。彼は天才弁護士ですが、正体は悪魔でした。ジョンの存在に惹かれたケヴィンは、彼の役に立ちたいという思いから必死に働き、さらには、妻と子どもを殺害した容疑にかけられている不動産王アレキサンダー・カレンの弁護を担当することに。その一方で妻メアリー・アンが精神的に参ってしまいます。やがてケヴィン自身も幻覚を見るようになり......。
ジョンは、ケヴィンをダークサイドに引き摺り込もうとしており、ケヴィンの野心を利用していきます。この作品は野心と権力の追求がいかに人を破滅に追いやってしまうのかを描いており、最後のどんでん返しが最大の見どころ。ちなみにIMDbによると、不動産王アレキサンダーの自宅として使用されたのはトランプ・タワーにあるドナルド・トランプの個人住宅用アパート。ゴールドの装飾とセントラルパークの美しい風景がみられるのも本作のポイントです。脚本家によると「可能な限り、醜く、派手でおぞましい不動産開発者のアパートが必要だった」といい、そこでトランプが場所を貸し出してくれたのだそう。今となっては貴重なシーンなのかもしれません。
(文/トキエス)

