ステイサム節炸裂! 2026年は『ワーキングマン』で幕開け!
2026年1月2日(金)公開
2025年の映画界の幕開けを『ビーキーパー』で飾ってくれたジェイソン・ステイサム。2026年もステイサム節炸裂のアクション映画『ワーキングマン』で再び幕をあけます。
両者は別物の映画ですが、「いまは普通の市民として暮らしているすご腕の男が、恩人のために過去のスキルを使って悪の組織に戦いを挑む」という点は同じ。しかも本作の監督であるデヴィッド・エアーは『ビーキーパー』のメガホンもっています。なので続編というか姉妹編っぽい。
しかしアクション映画ファンにとってステイサム好きにとっては、余計なことをせず、こういうおなじみの展開×ステイサムならではのアクションを楽しみたいのであって、そうした欲求にちゃんとこたえてくれます。
ワーキングマンには現場労働者という意味があり、本編でステイサムが演じるレヴォンは元イギリスの特殊部隊員。いまは建設会社で工事現場の監督を務めています。要は肉体労働者のワーキングマンとして工事現場でハンマーを振り下ろす日々と、必殺ワーキングマン(仕事人)となって恩人一家を苦しめる犯罪組織に鉄槌をくだすダブルミーニングです。
バイオレンスな見せ場の連続ですが、悪い奴らがどんどん倒されていくので爽快感あり。この映画の脚本はシルヴェスター・スタローン。スタローンとステイサムは『エクスペンダブル』シリーズで共演しているし、またスタローン脚本×ステイサム出演で『バトルフロント』というアクション・スリラー映画も過去にはある。スタローンは80-90年代のアクション映画のアイコンですが、その後継者的にステイサムを気に入っているのかもしれません。
『バトルフロント』もこの『ワーキングマン』もステイサム演じる主人公は妻に先立たれ娘がいるという設定でした。こうしたアクセントを入れることによって、主人公が単なる戦闘マシーンではなく人間味ある主人公として描かれます。
僕は本作を観ながらスタローンのランボー最終作(と言われている)『ランボー ラスト・ブラッド』を思い出しました。どちらも「人身売買組織にさらわれた恩人の娘を取り戻す」という流れですが登場人物の運命が違います。ネタバレになるので詳しくは書きませんがスタローンなりに「ラスト・ブラッド」のもう一つの可能性も本作でやってみたかったのかではないでしょうか?
さて僕は日頃アメコミ映画についている書いているライターなのでアメコミ的視点で本作を語ってみましょう。監督のデヴィッド・エアーはマーゴット・ロビーが初めてハーレイ・クインを演じたDC映画『スーサイド・スクワッド』を手掛けています。
共演者のマイケル・ペーニャはマーベル・シネマティック・ユニバース/MCUの『アントマン』のルイス、デヴィッド・ハーバーは『サンダーボルツ*』等のレッド・ガーディアンです。
そしてこの映画は原作物でありチャック・ディクソンという作家の小説"レヴォン・ケイド"シリーズがベースです。このチャック・ディクソンはアメコミ畑の人で、1990年代にマーベルでパニッシャー、DCでバットマン系のコミックを担当していました。パニッシャーとバットマンのクロスオーバー「Punisher/Batman: Deadly Knights」のストーリーも手掛けています。
いわゆるSF的なスーパーヒーローではなく、犯罪物のヴィジランテ&クライム・ファイターのコミックを手掛けてきただけに、主人公レヴォン・ケイドにはこうしたキャラの匂いがありますね。
(文/杉山すぴ豊)
『ワーキングマン』
2026年1月2日(金)公開
監督:デヴィッド・エアー
脚本:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・エアー
出演:ジェイソン・ステイサム、デヴィッド・ハーバー、マイケル・ペーニャ、ジェイソン・フレミング、メラーブ・ニニッゼ、マクシミリアン・オシンスキー ほか
配給:クロックワークス
英題:A WORKING MAN
2025/アメリカ/116分
公式サイト:https://klockworx-v.com/wkm/
予告編:https://youtu.be/Fscz9-zbD_8
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