もやもやレビュー

"幸せな恋愛"の裏側『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』

ふたりで終わらせる / IT ENDS WITH US
『ふたりで終わらせる / IT ENDS WITH US』
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「ゴシップガール」で一躍有名となり、そこから話題作に数々出演しているブレイク・ライブリー。彼女が主演とプロデューサーを務めた恋愛映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』を今回はご紹介。原作は作家コリーン・フーバーが自身の実体験をもとに執筆し、ベストセラーとなった恋愛小説。現在、映画の周辺では思わぬ法廷闘争が勃発し、話題を呼んでいますが、作品そのものが持つメッセージ性の強さも注目すべきポイントです。

夢だったフラワーショップをオープンし、新たな人生をスタートさせたリリー(ブレイク・ライブリー)。彼女は優秀な脳神経外科医ライル(ジャスティン・バルドーニ)と恋に落ち、すべてが順調に進んでいるかのように見えました。しかし、次第にライルの愛は"支配"へと変化し、リリーは関係に疑問を抱くように。そんな中、かつての恋人アトラスと再会し、彼女の心は揺れ動いていきます。
リリーの物語は、一見すると幸せ関係の中に潜む"見えない虐待"を描き出します。恋愛感情があるからこそ冷静な判断ができなくなる、支配と愛の境界が曖昧になる......そんな経験をしたことがある人にとって、本作は深く突き刺さる作品となるでしょう。
また、現在この映画をめぐって主演のブレイク・ライブリーが共演者ジャスティン・バルドーニをセクハラで訴え、さらにジャスティン側がブレイクとその夫ライアン・レイノルズを訴えるなど、泥沼の争いが繰り広げられています。それでも、スクリーンの中で2人が本当に愛し合っているかのように見えるのは、まさに"俳優"の凄みです。

(文/トキエス)

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